1994 Fiscal Year Annual Research Report
背孤堆積盆地の堆積相・堆積サイクルのシーケンス層序解析
Project/Area Number |
06640580
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
保柳 康一 信州大学, 理学部, 助手 (30202302)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
|
Keywords | 堆積シーケンス / 北部フォッサマグナ / 中央北海道 / 堆積盆解析 / 変動帯 / ユ-スタシ- / テクトニクス / リフティング |
Research Abstract |
中央北海道と長野県北部からの新潟県にかけての北部フォッサマグナの背孤堆積盆地を対象に,堆積シーケンスモデルの枠組みに具体的な堆積相・堆積サイクルを位置づける研究を行い次のような成果を上げた. 1.北部フォッサマグナ地域の地表データと地下地質のデータや基礎試錘などで得られているコアからのデータを組み合わせることによって,ファンデル堆積シーケンスモデルを作成した.この堆積シーケンスモデルは,第四オーダー堆積シーケンスの組合せからなる第3オーダー堆積シーケンスで,安定大陸で作られた従来の堆積シーケンスモデルとは,大きく異なる.この堆積シーケンスモデルは,変動帯の堆積盆解析に大きな進展をもたらすと考えている.この成果は,今年度石油技術協会誌,地質学論集などに一連の論文として発表し,また,フランスのAAPGの集会で口頭発表された. 2.中央北海道の羽幌堆積盆において,古第三系から新第三系の様々なオーダーの堆積サイクルを分類し,ユ-スタシ-の変動とテクトニクス変動とを分離した.その結果,日本海形成リフティングの時期を約28Maと推定することが出来た.その結果は,札幌の地質学会で口頭発表し,地質学論集の論文としてまとめた. 堆積相・堆積サイクルの検討には肉眼による観察に加え,粒度分析と今回購入した軟X線非破壊検査装置(ソフッテクス社M-60型)による解析を加えた。軟X線は,岩石コアのサイクルの解析に威力を発揮したが,撮影条件などのさらなる工夫が必要である.
|
-
[Publications] 荒戸裕之・亀尾浩司・保柳康一: "背孤堆積盆地におけるシーケンス解析-新潟県蒲原地域の例-" 石油技術協会誌. 59. 18-29 (1994)
-
[Publications] 保柳康一・西村瑞恵・高野修: "シーケンス層序学-基礎概念とその可能性-(その2)堆積地質学への応用" 地球科学. 48. 159-170 (1994)
-
[Publications] Hoyanagi,K.and Nishimura,M.: "Slope-shelf-nearshore depositional sequences with transgressive conglomerate in the Miocene backarc and arc-junction Setting,Central Japan" Sedimentary Geology. 93. 247-260 (1994)
-
[Publications] 保柳康一: "堆積盆解析におけるシーケンス層序学" 地質学論集. 44(印刷中). (1995)
-
[Publications] 荒戸裕之・保柳康一: "新潟堆積盆地における3つの第4オーダ堆積モデル" 地質学論集. 44(印刷中). (1995)
-
[Publications] 渡辺大輔・西村瑞恵・保柳康一: "相対的海水準変動に支配されたファンデルシステムの堆積シーケンス-北部フォッサマグナ長野県地域の中新統・鮮新統-" 地質学論集. 44(印刷中). (1995)
-
[Publications] 保柳康一: "信州の千億年編集委員会(郷土出版)" 『大地が語る信州の千億年』「第10章 信州にも海岸線があった」22GD07:1994. (263)