1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640586
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 卓 九州大学, 理学部, 助手 (70128023)
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Keywords | 東シナ堆積盆 / 古第三紀 / 背弧海盆 / 前弧海盆 / フィリピン海プレート / シークェンス層序 / 大陸緑辺 / テクトニクス |
Research Abstract |
平成6年度の本科研の成果として以下の事項を明らかにした. 1.東シナ海ならびに隣接地域の内外の文献調査を行い、東アジア大陸東緑域の古第三紀堆積盆の分布・地質構造・堆積層序のコンパイルを行った. 2.浅海性前弧海盆堆積物に相当する西九州(長崎県西彼杵大島・松島地域)の非海成ならびに浅海成古第三系の堆積相・古流系の解析を通してシークェンス層序学の適応を吟味し,シークェンス境界の設定とその堆積地質学的意義について考察した.その結果,(1)始新世後期にタイプIのシークェンス境界とラビンメント面,漸新世前期にタイプIIのシークェンス境界,2つのラビンメント面,漸新世後期にタイプIのシークェンス境界が認定できた.また,(2)堆積相ならびに古流系の地域変化からは始新統はテクトニクス規制,漸新統はユ-スタティックな海水準変動規制が堆積層序の形成に関与したと推定できた. 3.種子島北部の多くの泥質岩中から浮遊性有孔虫化石を見いだし,(1)熊毛層群の時代が中期始新世後期から少なくとも後期始新世に及ぶこと,さらに(2)九州の四万十帯の日向層群・日南層群がそれぞれ熊毛層群の北,南半部に対応する可能性を指摘できた. 4.沖縄嘉陽層,九州日向層群の始新世四万十帯のタ-ビダイト・シークェンスについての堆積相ならびに古流系資料を収集した.これより、(1)種子島・屋久島の熊毛層群との比較から、前弧海盆の堆積システム,特に軸流・側方流運搬と堆積相との関係が見いだされ、側方流はチャンネル相に,軸流はローブ相に形成されていることが明らかとなり,(2)顕著な軸流に示される広域的な前弧海盆の軸勾配は,始新世当時,中央海盆軸で活発な拡大を伴うフィリピン海プレートの成長・沈込み過程と密接な関連性が予測できる. 5.石垣島の調査から,当地域の始新統は,下部で変成岩起源の砕屑物ならびに石灰質堆積物,上部で安山岩質枕状溶岩や火山性水中火砕流堆積物が卓越する浅海性堆積物ならなる始新世の背弧海盆堆積物であることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)