1995 Fiscal Year Annual Research Report
白亜系赤色岩のキャラクタリゼーション -東アジアと九州の比較堆積学-
Project/Area Number |
06640587
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三木 孝 九州大学, 理学部, 助手 (50037272)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中牟田 義博 九州大学, 理学部, 助手 (80128058)
|
Keywords | 白亜系 / 赤色岩 / 堆積環境 / 古気候 / 化学組成 |
Research Abstract |
赤色を呈する地層は世界各地において認められ、これまでにも堆積学的、地球化学的に数多くの研究が行われてきた.特に乾燥砂漠気候、高温多湿気候などの古気候と、陸域河川での酸化環境などの堆積環境との成因的関連性が注目されている.しかしその赤色化過程には未だに明確にされていない点も多い、九州とその近接地域の白亜系もしばしば赤色岩層を挟在するが、その検討はあまり進んでいない.平成7年度は前年度に引き続き九州中部に分布する白亜系赤色岩について地質調査を行い、赤色岩の産状を検討すると共に、試料採取を行った.その結果、各地域において赤色岩は非赤色岩と密接に伴いながら、化石・岩相上の証拠から陸成ないし汽水成とみなされる地層中に含まれること、色彩境界は層理面と平行で赤色化は基本的には堆積成と考えられること、が明らかなった.また採取試料についての顕微鏡、X線、化学分析などによる検討から、赤色岩・非赤色岩は共に深成岩、変成岩などからの砕屑物の供給を受けており、赤色を呈するか否かは基質部を充填する微粒の赤鉄鉱の有無によることが明らかになった.赤鉄鉱の生成には後背地の基盤岩からの鉄分の供給と、有機物に乏しい地表ないしその近くの酸化的堆積環境が重要な役割を果たしたものと推定される.これまでの研究で赤色岩の分布、鉱物組成、化学組織などについての資料を得ることができ、赤色岩生成過程の概要を知ることができた.次年度(最終年度)の東アジアを含めた白亜系赤色岩形成の総合的考案にとって重要な成果が得られたものと考えられる.
|
Research Products
(1 results)