1994 Fiscal Year Annual Research Report
東南極のパン・アフリカン変動とそのゴンドワナ超大陸形成における意義
Project/Area Number |
06640591
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
白石 和行 国立極地研究所, 研究系, 教授 (90132711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加々美 寛雄 岡山大学, 地球内部研究センター, 助教授 (20108179)
本吉 洋一 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (90211606)
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Keywords | 東南極 / 地球年代学 / 変成作用 / ゴンドワナ / イオンマイクロプローブ |
Research Abstract |
申請者らの最終的な目的は、東南極におけるパン・アフリカン変動とそのゴンドワナ超大陸形成における意義を、リュツォ・ホルム岩体と、その東方にあるレイナ-岩体やナピア岩体、西方に分布するやまと、ベルジカ岩体、セール・ロンダーネ山地の変成作用、火成作用の性質や年代に注目して比較し、その時代と生成の場を考察することである。従ってこの2年間の計画では極力多くの年代値と化学分析値を産み出すことが重要である。 平成6年度は1.リュツオホルム岩体の代表的な深成岩起源の変成岩を選択し、Rb-Sr及びSm-Nd系でのアイソクロン年代を求めた。その結果、両者ともに約1000Maの年代を得た。これはSHRIMPによるジルコンのU-Pb年代とほぼ等しく、深成岩岩体の固結年代を示していると解釈される。2.極地研究所に新たに設置されたXRFによる主要、微量元素分析の手法を確立した。上記変成深成岩体の地球化学的検討を行い、その原岩は大陸的な場で形成されたことを示唆する結果を得た。3.レイナ-岩体の泥質変成岩のRb-Sr及びSm-Nb系での鉱物アイソクロン年代を求めるための同位体測定を実施中である。1,3については、日本地質学会年会、地球惑星科学関連学会合同大会及び第14回南極地学シンポジウムで口頭発表するとともに、論文を準備中である。また、2については論文を発表した。 現時点までの重要な成果として、Sm-Nd、Rb-Sr両系のアイソクロン年代とSHRIMP年代の比較から、後者が必ずしも変成作用のピーク時を示さない例が得られた。これはドライな条件下にある酸性深成岩が原岩の場合、変成作用時に同位体比の再平衡が起こりにくいためであろうと考えられる。このことはSHRIMP年代が万能ではなく、ほかの同位体年代の手法を用いたり、岩石学的な証拠などからクロスチェックする必要があることを意味している。
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Research Products
(1 results)