本邦古生代〜中生代初期小型有孔虫類の研究総括

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06640598
• Research Institution: HIROSHIMA UNIVERSITY
• Principal Investigator: 沖村 雄二 広島大学, 理学部, 教授 (60033825)
• Keywords: 古生代 / 中生代初期 / 小型有孔虫

Research Abstract

本研究は、わが国の古生代〜中生代初期の小型有孔虫類に関するmonographをつくるための基礎資料を収集して、記載・報告されているすべての種についてその内容を再検討し、試・資料の管理システムが完成した段階で正しい同定および検索が可能である基礎資料を整備することにあり、当該年度の研究は、昨年度の継続とまとめを行った。本年度当初の計画にしたがって、東北大学・筑波大学・東京大学・兵庫県立自然誌博物館・秋吉台科学博物館・九州大学などにおいて発表されている種の標本、資料を解析した。また、完全な標本をうるために模式地においてtopotype specimensを採取して再検討も行った。
本年度は、まず記載されている標本、未記載だが図版整理されている種、リストとしてのみ報告されている種のすべてについてその産出年代および地域を区別したBibliographを完成し、全ての種の索引リスト(アルファベット順・分類単位順)を整備した。その結果を日本古生物学会(平成8年1月27日)で発表した-発表内容の主なものは、古生代シルル紀1種、石灰紀前期98種、石灰紀中〜後期46種、ペルム紀前期33種、ペルム紀後期35種、三畳紀中期に10種、三畳紀後期に30種がわが国から報告されているが、Endothyra属の種の同定に典型的にみとめられるように、属種の分類のための基本的要素の解析がきわめて不十分であることが明らかになったこと、および化石層位学的な価値の吟味が不十分であることをあきらかにしたことである)。

Research Products

• [Publications] 沖村雄二: "本邦古生代〜中生代初期小型有孔虫類の研究総括" 日本古生物学会1996年年会講演予稿集. 1. 74 (1996)
• [Publications] 沖村雄二: "Endothegra-Plectogyoa問題-Endothyriidaeについて" 日本古生物学会1995年年会講演予稿集. 1. 44 (1995)
• [Publications] 沖村雄二他2名: "石灰泥の成固,特に生物骨格の離解と微生物による穿孔作用の変要性" 地質学雑誌. 101. 848-856 (1995)
• [Publications] 松田博貴・沖村雄二他: "地球環境と炭酸塩堆積物" 地質学雑誌. 101. XXXV-XXXVIII (1995)
• [Publications] 沖村雄二: "生物学岩,とくに石灰岩に記録された環境の変要を読む" 月刊-地球. 17. 557-564 (1995)
• [Publications] 藤沢昭子・沖村雄二: "オ-イドの微細構造とその成因" 月刊-地球. 17. 564-568 (1995)
• [Publications] 添原和子編: "カルストーその環境とひとびと(大明堂,東京)" カルストーその環境とひとびと編集委員会(印刷中), (1996)