1996 Fiscal Year Annual Research Report
かんらん石とクロマイトの化学組成から見た上部マントルの進化
Project/Area Number |
06640611
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Research Institution | Univeristy of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 一仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90160853)
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Keywords | 上部マントル / かんらん岩 / かんらん石 / クロマイト / マグマ |
Research Abstract |
かんらん石のMg/(Mg+Fe)値とクロマイトスピネルのCr/(Cv+Al)値の間に見られる一般的な正の相関(かんらん石-スピネルマントルアレイ)についてマントル物質の融解過程での元素の挙動をモデル計算によって調べた。その結果以下の事が明確となった。かんらん石のMg/(Mg+Fe)とスピネルのCr/(Cr+Al)のプロットで天然のかんらん岩について認められるS字形のパターンは、単斜輝石が固相に残っている間におきる.急激なCr/(Cr+Al)の増加と、単斜輝石が消えてからCr/(Cr+Al)値がしだいに変化しなくなるバッチ融解のモデリングの結果と調和的である。分別融解では単斜輝石が消えるまではバッチの場合とほとんど差はないが、単斜輝石が消えた後、急速にCr/(Cr+Al)値が増加する点で異なっている。かんらん石のMg/(Mg+Fe)は融解程度のほぼ線型の関数になっているのに対してスピネルのCr/(Cr+Al)は強く非線型である。また、Mg-Feの分配が正しく評価されているならば、融解程度の推定には、かんらん石のMg/(Mg+Fe)値のほうが適切である。
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[Publications] K.Ozawa: "P-T history of an asconding mantle periclotite corstrained by Al zoning in orthopyroxene:a case study in the Horoman complex" 地質学論集. (発表予定).
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[Publications] 小澤一仁: "かんらん岩からマグマ形成メカニズムをさぐる" 火山特別号. (発表予定).