1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640620
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 隆 愛媛大学, 理学部, 助教授 (00253295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 努 日本原子力研究所, 環境安全研究部, 研究員
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Keywords | 長石 / 風化 / 溶解 / 岩石-水反応 |
Research Abstract |
1.実験及び分析 出発物質は天然のOrthoclase、Anorthite、Albiteの単結晶を使用した。反応液として脱イオン水を用いたが、緩衝剤によりpH=4.56に調整したものを使用した。反応は、210℃、90℃でそれぞれ3日、10日、30日、90日、180日、360日とし、テフロン容器内で実施した。反応後の結晶を走査及び透過電子顕微鏡、EPMA法で、反応溶液をICP法により行った。溶解反応経路をソフトウェアEQ3/6NRで計算した。 2.結果 反応後のpHは4.50〜4.65と、反応前とほとんど変化しなかった。Orthoclase、Albiteの実験において、試料表面の形態観察では、溶解とともにetch pitsが深くなっていくことが観察された。また試料表面上の二次鉱物として、ギブサイト(Al(OH)3)の自形結晶が晶出しているのが観察された。Anorthiteの実験においてはetch pitsは観察されず、また数種の結晶と非晶質状物質の形成が認められ、これらが表面変質相を形成してるのが観察された。Orthoclase、Albiteの実験で、150℃の反応溶液の分析結果、OrthoclaseではKの選択的溶脱があるものの、AlbiteではやNaの選択的溶脱は初期のみで、Si同様、調和溶解する。Alの液中濃度はギブサイトの形成と溶解に比例的であった。 3.今後の研究 風化度の異なる花崗岩を採取した。蛍光X線分析法により全岩の化学分析を行い、バルクでの元素の量的変化を調べる。長石の鉱物学的変化を光学顕微鏡、EPMA法で調べ、バルクでの元素の移動との関係を検討する。これらの実験データとの比較し、両者の差異の原因を検討する。
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