1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640620
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00253295)
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Keywords | 長石 / 風化 / 溶解 / 岩石-水反応 |
Research Abstract |
1.実験及び分析 反応実験は前年度の報告書で述べたことを続行した。反応後の結晶を走査及び透過電子顕微鏡、EPMA法で、反応溶液をICP法により行った。また、野外での長石の変質と比較するため、愛媛県松山市沖の興居島の露頭より様々な風化度の花崗岩中の長石をサンプリングし、分析した。 2.結果と考察 室内実験では、反応後のpHは4.50〜4.65と、反応前とほとんど変化しなかった。溶解はAnorthite、Albite、Orthoclaseの順で、その速度が早かった。ただ反応経路はいづれの長石でも同様で、二次鉱物の生成順で書けば、Boehmite(AlO(OH))、Si-bearing Boehmite、Kaoliniteの順であった。このSi-bearing Boehmiteは本実験ではじめて見いだされた鉱物相で、Boehmiteと同じ基本構造を持つが、超構造を持ち、1/30から1/3含まれるSiの含有率に従い、その超構造を変えるのが特徴である。この相の生成により、溶解速度が常温換算で約3桁遅くなることがわかった。室内実験では通常、平衡から離れた条件、即ち、二次鉱物が生成しない条件で溶解速度が求められるが、天然での長石の溶解速度より最大3桁早くなる傾向がある。今回の実験はBoehmiteが生成するような常温より高い温度(約50度以上)でないと適用できないが、天然での溶解はこのような中間生成物の共存下で起こっていることを示唆している。 花崗岩の風化では、二次鉱物は全体としてはバ-ミキュライト(及び鉄鉱物)、スメクタイト及びカオリナイトの順で形成が認められた。ところが、カリ長石、斜長石表面ではそれぞれ異なる二次鉱物の形成が見られた。カリ長石では一般にスメクタイトが卓越し、斜長石ではスメクタイトに加え、カオリナイトが卓越していた。斜長石表面でカオリナイトが卓越しているのは斜長石の溶解速度が早く、小さな割れ目や双晶面等の狭い領域で選択的に溶解が進行していくためと考えられる。この結果は鉱物一水反応において、構成鉱物の溶解速度に差があること、反応の領域に差があり、その領域での水組成に差があることによると考えられる。即ち、風化で観察される全体の反応は狭い領域で起こる局所的な反応と必ずしも同一ではない。
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[Publications] Murakami et al.: "Weathering of chloode in a qnarts chlorre schist:I Mineralogical and chemical change" Cluys and Minerals. (in press). (1996)
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[Publications] Sato,Murakami et al.: "Change in layer change of smechites and smectiro layers in illitelsmectite during diagenetic altr" Clsys and Clay Minerals. (in press). (1996)