1994 Fiscal Year Annual Research Report
地殻深部起源のマフィック岩類に見られる融解・同化プロセルと花こう岩質マグマの生成
Project/Area Number |
06640625
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
落合 清茂 大阪府教育センター, 科学教育部理科第二室, 主任研究員 (00125246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 久雄 山形大学, 理学部, 助教授 (30007174)
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Keywords | 花こう岩質マグマ / 部分融解 / 角閃岩 / 阿武隈山地 / Nd-Sm同位体法 / Rb-Sr同位体法 |
Research Abstract |
花こう岩質マグマの発生・移動・濃集プロセスを明らかにするために,本年度はとくにマグマの実際の分布パターンを詳細に解析した.さらに,新しくSrおよびNd同位体法を導入し,生成した花こう岩質マグマと起源岩である角閃岩,そして熱源としての石川閃緑岩との関係を調べた. ・阿武隈山地においては,融解している角閃岩の露頭3カ所で岩石ブロックの切り出し工事を行い,8ブロック(40×30×70cm前後)を採取した.それぞれ異なる地質条件(温度,圧力など)を反映して部分融解の程度が異なり,融解によって生じたはんれい岩-花こう岩質岩脈の分布パターンも異なる.現在,これらのブロックを薄く切断し,種々の岩脈の幾何学的構造を調べている.このような実際のメルトの分布パターンの解析は,今後の化学的方法によるマグマの進化の研究や,さらにメルトの移動・濃集の理論的研究に対して重要な制約を与えるだろう. ・これらの新しく採取された岩石について,茨城大学分析センターにおいてプラズマ発光分析法により希土類元素,蛍光X線分析法によって主成分元素の組成を測定した.今回の測定によってとくに起源岩の化学的性質がはっきりし,融解の初期条件が定まってきた. ・これらの角閃岩やはんれい岩-花こう岩質岩脈などについて,岡山大学地球内部研究センターにおいて,SrとNdの同位体組成を測定した.Rb-Sr同位体組成の特徴は,角閃岩の融解に際して,これを融解した熱源である石川閃緑岩から単に熱だけではなく,流体を通じた物質の介在があったことを示している。石川閃緑岩のRb-Sr年代は約9千万年が得られた.さらに結果を解析中である.
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