1994 Fiscal Year Annual Research Report
励起酸素および窒素から金属ハロゲン化合物へのエネルギー移動反応の研究
Project/Area Number |
06640646
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤井 信行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50011119)
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Keywords | 励起酸素 / 励起窒素 / 化学発光 / エネルギー移動 / 塩化銅 / 臭化スズ |
Research Abstract |
本研究では、励起酸素中あるいは励起窒素中、塩素共存下で銅、スズ等のハロゲン化物蒸気による化学発光のメカニズムを解明すること、さらに、強い赤色発光のレーザー発振の可能性を調べることを目的とした。 励起酸素および励起窒素の生成法として、マイクロ波放電流通法を用い、これを高速流通装置(現有)に接続し、各種金属のハロゲン化合物蒸気を混合反応させ、可視域の励起種の発光及び化学発光スペクトルを分光器と光電子増倍管またはマルチチャンネルアナライザー(現有)を用い、一重項酸素濃度検出にロックインアンプ付き高感度赤外線検出器と干渉フィルターを用いた。 励起酸素中にハロゲン化銅蒸気を混合すると、ハロゲン化第一銅に帰属できる青色発光が観測された。この系に塩素を徐々に加えると、塩化第一銅による青色発光が観測され、更に塩素を加えると塩化第二銅による赤色発光に変わることが観察された。この時、赤外発光測定により流れ方向の一重項励起酸素の消光を観測することができた。現在、このエネルギー移動過程を検 討中である。一方、励起窒素流れ中にハロゲン化銅蒸気を混合すると、ハロゲン化第一銅による、酸素の場合とは異なる青色発光が観測された。この系に塩素を加えると塩化第一銅による青色発光が観測されたが、塩素を更に加えても塩化第二銅による赤色発光を観測することはできなかった。現在この機構の検討を行っている。 スズ化合物についは、励起窒素流れ中における臭化第二スズに帰属される緑色化学発光が観測され、そのエネルギー移動過程について検討を行った。 YAG励起色素レーザー(現有)とボックスカ-積分器を用いたレーザー誘起蛍光について現在測定中である。今後、発光寿命測定などによりこれらの化学発光によるケミカルレーザーへの検討も行う予定である。
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[Publications] 小林高臣、藤井信行、他: "Copper halide chemiluminescence in O_2 discharge flows containing Cl_2." Journal of Photochemistry and Photobiology, A: Chemistry. (印刷中).
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[Publications] 小林高臣、藤井信行、他: "Green chemiluminescence of SnBr_2 vapor in nitrogen discharge flow," Journal of Photochemistry and Photobiology, A: Chemistry. (印刷中).