1994 Fiscal Year Annual Research Report
末端二重結合上での高選択的不斉誘起反応の研究-2位に不斉中心をもつ1級アルコールの高選択的合成反応の開発
Project/Area Number |
06640698
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
光延 旺洋 青山学院大学, 理工学部, 教授 (90082792)
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Keywords | ヒドロボレーション一酸化 / 糖質化合物 / 不斉誘起 / 不斉水素化 |
Research Abstract |
1.5位水酸基を保護したメチル2,3-アンヒドロ-D-リボフラノシドのα-アノマーおよびβ-アノマーと、2-(ベンジルオキシメチル)-2-プロペニルマグネシウムクロリドとの反応を検討し、5位の保護基の電子的効果がオキシラン環の反応性に影響を及ぼしていることを示唆する結果を得た。 メチル2,3-アンヒドロ-5-O-トリチル-α-D-リボフラノシドに1-(トリメチルシリル)-1-プロピンをリチオ化して反応させると、目的とした2-C-(3-トリメチルシリル-2-プロピニル)アラビノフラノシド誘導体が81%の収率で選択的に得られた。しかし、β-アノマーは反応しなかった。 2.一連の4,8-二置換ジベンゾジオキサボレピン(1a-1d)を合成し、これを用いてメチル4,6-O-ベンジリデン-3-O-ベンジル-2-デオキシ-2-C-メタリル-α-D-グルコピラノシド(2)をヒドロボレーション一酸化してアルコール3を合成した。この反応の選択性は9-BBNを用いたときには2.7%de,BH_3・SMe_2を用いたときには0%deだったが、1a,1bまたは1dを反応させたときには11-14%deになり、1cを用いたときには24%deに向上した。 3.2-(ヒドロキシメチル)-2-プロペニル基をもつ各種の化合物およびその誘導体、たとえば、イドピラノシド誘導体4aならびにそのO-ベンジル誘導体4bやO-ベンゾイル誘導体4cを、Ru_2Cl_4【S-(-)-BINAP】_2NEt_3を触媒として水素化する反応を検討した。その結果、アリル水酸基に導入したアロイル基が、反応の立体選択性を向上させることを明らかにした。
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