1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640731
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木下 勇 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (80128735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 健一 大阪府立工業高等専門学校, 講師 (20234263)
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Keywords | 混合金属錯体 / 二核錯体 / 白金 / 金属間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では下記の反応を用いて白金あるいはパラジウムと様々な第一遷移金属との複合系二核錯体の合成を行った。後期遷移金属であるCo^<II>,Ni^<II>は比較的容易に取り込まれる。双方ともに白金は平面型,Co,Niは四角錐構造をしており,5配位目の配位子が錯体の安定化におおきく貢献していることが判明した。双方の錯体共に酸化によって,d^7-d^7金属間相互作用が著しく増大する。特に、|Pt(4-mpyt)_4Co(CH_3CN)|を酸化して得られた化合物は二量体化し,白金-コバルト結合生成して反磁性化合物になる事を見いだした。結晶化は引き続き検討中である。 前期遷移金属であるTi,V,Crについては,M=O型が{S_4PtN_4}環境に取り込まれ易いと考え|Pt(4-mpytH)_4|Cl_2と|Ti^<IV>(acac)_2O|_<2′>,|V^<IV>=O(acac)_2|,|Cr^V=O(O_2CCOCH_3)|等と反応を行った。その結果,V,Crの場合,|Pt(4-mpyt)_4M=O|型の複合系2核錯体が得られた。Cr^<IV>としてはきわめて珍しい配位形式である。さらにCr^<III>と,|Pt(4-mpyt)_4CrCl|という錯体をも得ることが可能である。立体的に強固なランタン型配位構造によって,単核では困難な様々な配位様式をとることが可能となった。これら全て分子状錯体で,金属間相互作用はあまり大きくないものと思われる。そこで,まず,|Pt(4-mpyt)_4V=O|錯体の一電子還元体を合成し,より相互作用の大きい二核錯体の創出を行った。この錯体では,過剰の電荷の再分配が,金属間相互作用を通じて行われるものと考え,このモデルの分子軌道計算を遂行中である。 Fe,Mn,Cu,Znは現在引き続き合成条件を検討中である。さらに多くの金属の複合系を検討する目的で,Ru_n,Fe_n,Mn_n型の酢酸架橋多核錯体の合成を検討中である。この反応は,対応する金属化合物と無水酢酸を超音波条件下で行っている。きわめて多様な反応が進行することが認められたので,さらに検討を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tanase,Tomoaki: "Synthesis and Characterization of(μ-Alkoxo)bis(μ-carboxylato)diruthenium Complexes,Na[Ru_2(dhpta)(μ-O_2CR)_2].A Ruthenium Analogue of Model Systems for Iron-oxo Proteins" Chemistry Letter. 1994. 1853-1856 (1994)