1994 Fiscal Year Annual Research Report
水に可溶な有機金属カチオン種担持ヘテロポリアニオンの設計と合成
Project/Area Number |
06640735
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野宮 健司 神奈川大学, 理学部, 助教授 (80119354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
力石 紀子 神奈川大学, 理学部, 助手 (90260992)
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Keywords | 修飾ヘテロポリ酸塩 / Keggin型 / Dawson型 / アルカリ金属塩 / 担体 / 有機金属カチオン種 / 担持ヘテロポリ酸塩 / 合成 |
Research Abstract |
平成6年度の交付申請書に従って、水に可溶で結晶化するNa塩のKeggin型およびDawson型の修飾ヘテロポリ酸塩担体を用いて有機金属カチオン種Cp^*Rh^<2+>(Cp^*=C_5Me_5)を担持させ、相手カチオンがすべてNaイオンからなる新しい担持ヘテロポリ化合物Na_7[Cp^*Rh・P_2W_<15>Nb_3O_<62>]およびNa_5[Cp^*Rh・SiW_9Nb_3O_<40>]の合成・単離を行った。 1.Keggin型の修飾ヘテロポリ酸塩担体のNa塩、Na_7[SiW_9Nb_3O_<40>]・16H_2Oの合成・単離の方法を明らかにした。得られた化合物は水およびDMSOに可溶な白色粉体であり、全元素分析、^<183>W NMR,FT-IR,TG/DTAなどで同定した。vapor diffusion法により結晶で得ることもできた。 2.この合成法を利用して他のアルカリ金属塩(Li塩、K塩、Ca塩)のKeggin型修飾ヘテロポリ酸塩を合成することができた。K塩はNa塩と同様に水およびDMSOに可溶であり、Cs塩はすべての溶媒に対して難溶であった。一方、Li塩は水だけでなく、EtOH,MeOH,DMSO,DMFなどの有機溶媒にも可溶であった。 3.修飾ヘテロポリ酸担体のNa塩にCp^*Rh^<2+>基を担持したヘテロポリ化合物Na_5[Cp^*Rh・SiW_9Nb_3O_<40>]の合成条件(特に溶媒の選択)を詳細に検討した。DMSOとCH_3CNの混合溶媒中で、それらの体積比が1:5の時にのみ、窒素下での還流により目的物が得られることがわかった。 4.そのCp^*Rh^<2+>担持Keggin型ヘテロポリ酸塩のNa塩は、DMSO/EtoAcからの再沈殿を繰り返すことにより副生成するNaBF_4を除去することができ、全元素分析を行える程度にまで精製できることがわかった。 5.以上の方法を利用して、Dawson型の修飾ヘテロポリ酸塩担体L_9[P_2W_<15>Nb_3O_<62>](L=Li,Na,K,Cs)および有機金属種担持ヘテロポリ酸塩Na_7[Cp^*Rh・P_2W_<15>Nb_3O_<62>]の合成を行った。
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