1994 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の電解還元における反応中間種の赤外分光測定
Project/Area Number |
06640739
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古賀 修 千葉大学, 工学部, 助教授 (60110293)
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Keywords | CO_2電解還元 / CO電解還元 / CO吸着種 / CO_2還元種 / 赤外反射スペクトル / Cu電極 / Ni電極 / Fe電極 |
Research Abstract |
二酸化炭素(CO_2)を水溶液中で電解還元すると、電極金属によって種々異なる物質が生成する。主要な生成物質に着目して電極金属を分類すると、4種類に分類される。(a)炭化水素を生成する金属。(b)COを生成する金属。(c)ぎ酸を生成する金属。(d)水素を生成する金属。このうち(d)に属する金属の中には、炭化水素生成能が(a)に属するCuに次で高い金属が含まれている。そこで初年度は特に炭化水素生成に着目し、(a)と(d)のグループに属する電極金属について表面種の測定とその反応性について検討した。以下のことが明らかになった。 1.水素を生成する金属:pt、lr、Ni、Fe等がこれらのグループに属する。CO_2あるいはCO電解によって炭化水素も生成するNi、Fe電極について分光法により測定を行い検討した。その結果、両系共通にCO吸着種を検出した。炭化水素生成にはCOの吸着が必要である。Ni電極においてさらに詳細な検討を加え、次の3点を明らかにした。(1)CO_2還元により吸着COが生じ、吸着COが炭化水素へ還元される。(2)吸着COにはlinear型とbrige型の2種存在し、両吸着種とも炭化水素へ還元される。(3)linear型の吸着種はbridge型の吸着種より還元速度が速い。 2.炭化水素生成金属:Cu金属が唯一これに属する。Cuは特異な還元活性を有する。Cu電極-CO系について分光測定を行い、電極に吸着したCO種の赤外反射スペクトルを得た。また、CO_2還元においても同じ種が吸着していることを見いだし、これから、CO_2から炭化水素への中間にCO吸着種が生成することを明らかにした。COのCuへの吸着は特異な電位から起こり、その際、電荷移行が伴う特異な吸着である。この特定なCOの吸着状態の検討については次年度の研究課題とする。
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