1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640740
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神谷 幸司 千葉大学, 工学部, 助手 (50202023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 信雄 千葉大学, 工学部, 教授 (40111413)
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Keywords | 低次元 / 導電性有機高分子 / グラファィト |
Research Abstract |
低次元性により、電荷密度波やソリトンなどの新しい電気伝導機構の発現が期待されている。この低次元性を確認し、さらに有効に活用するためには、マクロな大きさで低次元性を実現する必要がある。しかしながらこれまでに創製された低次元性物質は少なく、特に理論的にももっとも興味深い1次元性を示し、構造が明確に分かっているものはポリアセチレン等数種類にとどまっている。この研究の目的は、新しい1次元伝導性物質の候補としてベンゼン環が直線的につながった構造を持つ1次元グラファイトと呼ばれる物質の合成および、この物質の構造を明らかにすることである。この物質はリボン状のファイバーであることが報告されている。具体的には、1次元グラファイトと考えられているファイバー状の物質と、さらに関連物質と考えられ高い電気伝導度を示す薄膜状の物質について、合成と物性測定を行った。特に最終年度として、これまで2年間行ってきた研究成果を踏まえ、新たな合成法、より詳細な物性測定を目的として研究を行った。最終年度の研究成果を以下に示す。 1.ファイバー合成に多孔質にフィルターを用いることにより、直径数百nm程度の中空のファイバーを合成することができた。 2.ファイバーの構造が中心部と縁部で異なることに加え、さらにこの縁部分もいくつかの構造からなっていることがわかった。 3.原料にこれまで用いてきたPTCDAだけでなく、ペリレン環部分の構造が異なるNTCDAを使用しPTCDAの時と同様にリボン状のファイバーを得た。 4.薄膜の試料に関しては、膜厚の調製が可能になり、透過型電子顕微鏡像を得ることができた。回折像からこの膜が、グラファイトとよく似た構造を持ち、c軸方向にある程度配向していることがわかった。
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