1994 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライトナノスペース中における室温での窒素の特異な吸着現象
Project/Area Number |
06640748
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
黒田 泰重 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40116455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 眞彦 岡山大学, 理学部, 教授 (30032816)
吉川 雄三 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (30022643)
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Keywords | 銅イオン交換ゼオライト / 窒素吸着 |
Research Abstract |
モルデナイト(ゼオライトの一種)中には交換可能なナトリウムイオンが存在する.このナトリウムイオンを銅イオンでイオン交換することができ,その際,化学量論から予想される量より多量に銅イオンでイオン交換した試料を調製することができる.この試料はNOx分解触媒として有効であることはよく知られている.我々は,この化学量論から予想される値より過剰にイオン交換した銅イオン交換モルデナイトを真空中873Kで処理した試料が,300Kで窒素分子を強く物理吸着することを見いだした.室温で強く窒素分子を吸着する物質はほとんど見いだされていないので,この試料の性質は特筆すべきものである.室温で窒素を吸着する特性を有するこの試料は,アンモニア合成触媒としても有効である可能性があり,その点からも興味ある物質である. 本研究では蛍光,XAFS,ESR,IRスペクトル測定によって,このように強く窒素を物理吸着するサイトの状態を明らかにすることを試みた.その結果,この試料を熱処理することによって,モルデナイト中にCu(1)種が形成されること,しかも,この種が窒素の吸着(室温)における有効なサイトであることを明らかにした.さらに,この活性サイトを利用し,プラズマ状態の窒素との反応を試み,化学吸着された窒素種が銅イオン交換モルデナイト中に形成されることを初めて見いだした.今後はこれらの吸着窒素種の脱離性を調べ,これらの種の状態を分子レベル明らかにする予定である.
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[Publications] Y.Kuroda: "Dielectric Behavior in the SrF_2-H_2O System.1." Langmuir. 11. 259-264 (1995)
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[Publications] M.Nagao: "Calorimetric study of water two-dimensionally condensed on the homogeneous surface of asolid" Thermochimica Acta. (in press). (1995)