1994 Fiscal Year Annual Research Report
界面活性分子集合体の高次構造と準安定な疎水性超微粒子の動的界面の分光学的研究
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06640754
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (40089371)
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Keywords | コロイド次元分子集合体 / ミセル / ミクロエマルション / ベシクル / 疎水性超微粒子 / 高感度高精度差ラマン測定装置 / 分光学 / 静的・動的光散乱測定 |
Research Abstract |
1.両末端にフルオロアルキル基を有するカルボキシル基含有フルオロシリコンオリゴマーを合成し、その水溶液中における溶存状態を検討したところ、ある濃度から温度依存を示さない通常のミセルよりかなり大きい、かつ、球状でない分子集合体を形成することが分かった。2.水溶液中における高けん化度ポリビニルアルコール(PVA)の溶存状態を動的光散乱等により検討したところ、PVAの粒子径は濃度増加に伴い増大して多分散となり、分子集合体を形成する。また、PVAとポリスチレン硫酸ナトリウム(NaPSS)との混合系では複合体を形成することが分かった。3.一分子内に炭化水素鎖と炭化フッ素鎖を有する数種類のハイブリッド界面活性剤を合成し、それらのミセル構造は濃度依存を示し、特に炭化水素鎖の配向状態がかなり影響を受けることが分かった。その際、界面活性剤分子中のベンゼン環周囲で脱水和が起こることや対イオン(金属イオン)が界面活性剤の親水基により結合することなどがラマン測定により分かった。4.ベンゼンと水をスターラーを用いて撹拌した後十分静置した水溶液(非平衡水溶液)と超音波照射により分散させた直後の水溶液(平衡水溶液)の示差屈折率と密度を測定したところ、非平衡水溶液の場合は、ベンゼンの濃度増加に伴い単調に変化したが、平衡水溶液の場合はある濃度で屈曲したことから、超音波を照射することにより油滴は一時的に溶解度以上まで取り込まれることが分かった。また、ベンゼン微粒子の経時変化から、粒子径は分離過程において複数の分布を持つが、ベンゼン濃度や照射時間には依存しないことが分かった。
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