1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640761
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤阪 健 筑波大学, 化学系, 助教授 (60089810)
|
Keywords | C60 / フラーレン / シリル化 / ビスシリル化 / ジシラン / シラシクロプロパン |
Research Abstract |
C_<60>に代表される新しい炭素同素体として知られるフラーレン類はその特殊かつ新規な分子構造に由来する興味ある種々の物理的、化学的特性を有しており、新炭素素材として非常に魅力ある物質群である。本研究ではこれらフラーレン類の有機ケイ素誘導体の合成及びそれらの機能材料への応用を目的とする。C_<60>やC_<70>の官能基化に、光化学的に発生させた有機ケイ素活性種であるシリレンやジシレン等との付加反応やポリシラン類の光誘起電子移動反応を利用し、シリル化による異原子クラスターを合成して、新しい機能性クラスター化合物群の創製を試みた。 本年度はジシラン、トリシラン等のシクロポリシランやポリシラン類との光誘起電子移動を経由する光シリル化反応を検討した。特に、電子供与能の高いSi-Si結合を有するジシラシクロプロパンをターゲット分子として用いる光反応を試みた。生成物はリサイクル型HPLCにより分離精製を行ない、カラムクロマトグラフィーによる精製も試みた。付加したジシラシクロプロパンの数をFAB-MASSスペクトルより求め、電子構造に関する情報を^1H、^<13>C、及び^<29>Si-NMR、IR、UV、CVスペクトル等を用いて得、付加体、即ち、ビスシリル化フラーレンの合成に成功した。この反応の興味深い点は、付加体の構造、即ち、付加するジシラシクロプロパンの数及びその位置(5,6-付加か6,6-付加か)であり、付加の位置、数及び付加体の構造に関する理論計算の結果と合わせて6,6-付加体の生成を明らかにした。
|