1994 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィル及びポルフィリン金属錯体の分離システムの構築とその構造相関
Project/Area Number |
06640792
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西川 泰治 近畿大学, 理工学部, 教授 (10088312)
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Keywords | クロロフィル / アルキルポルフィリン / エステルポルフィリン / 酸化還元電位 / 分極率 / 分子分極率 / 非水溶媒液-液抽出 |
Research Abstract |
構造異性体を含む側鎖置換基の異なるポルフィリン化合物を分離し,その分離システムを物理的パラメーターを基に構築した.用いたポルフィリン化合物はアルキルポルフィリン4種,エステルポルフィリン8種である.得られた結果は次の如くである. 1) ポルフィリンの第一還元波と分極率(α)との間には負の相関性があることを明らかにした.第一還元電位はEtioI型(対称構造)のポルフィリンはEtioIII型より約10mV負に移行する.これはEtioI型は対称構造をとり,対称性に欠けるEtioIII型に比べるとポルフィリン環内の電子密度が増加し,還元電位が負に移行することを明らかにした。 2) ポルフィリン化合物の非水溶媒系(エチレングリコール-ベンゼン系,エチレングリコール-ジクロロメタン系,エチレングリコール-ヘキサン系)による液-液抽出分離を行い,分配比(log D)と溶媒の誘電率の関係を検討した.その相関は置換基の疎水官能基に支配されることを明らかにした. 3) ポルフィリン化合物の分子分極率を算出するため,ベンゼン溶媒における誘電率を測定した.その結果エステルポルフィリンではビニル基,エチル基,アルコール基の順に極性が強くなることを明らかにした. 以上のようなポルフィリン側鎖置換基の極性の違いを反映した分離法の構築を行った。
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[Publications] 河合範夫,森重清利,西川泰治: "クロロフィル誘導体の蛍光の酸素消光" 日本化学会誌. 650-655 (1994)
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[Publications] 河合範夫,山内幹人,倉谷総,西川泰治: "三次元高速流体クロマトグラフィーによる油砂岩中のニッケル及びオキソバナジウムポルフィリンの分離同定" 日本化学会誌. 416-421 (1994)