1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640807
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大串 隆之 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10203746)
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Keywords | 種間相互作用 / 個体群動態 / 自然濁汰 / 植食性昆虫 / 産卵行動 |
Research Abstract |
ヤマトアザミテントウの資源利用の適応戦略と寄主植物および天敵との種間相互作用が、個体群動態の決定に大きな役割を果たしていることが明かになった。つまり、本種の産卵戦術(産卵場所の選択および卵吸収)に対する濁汰圧としての天敵と寄主植物の作用に違いにより、個体群の安定性が変化する。天敵は季節の前半に働くので、天敵の作用が強い場合、早生まれの個体の死亡率が高くなり、幼虫密度が低く押さえられるためにアザミの食害レベルは低く保たれる。そのため、資源量の急激な低下や質の悪化あるいは誘導防御反応は起こりにくくなり、遅生まれの個体に対する植物の負の効果は小さい。適応度は早生まれの個体よりも、天敵の作用を受けない遅生まれの個体の方が大きくなる。そこで、遅生まれの個体に対する投資(産卵期間の延長)が、繁殖成功度の増加に繋がる。産卵場所選択や卵吸収は産卵期間が長い場合に有利に働くので、その効果が十分に発揮される。その結果、個体群の安定化はより促進される。逆に、天敵の作用が弱い場合は、早生まれの個体の死亡率が低くなり、幼虫密度の増加にともない食害が顕著になる。そのため、量や質の低下や誘導防御反応が生じるので、その影響を直接受ける遅生まれの個体の適応度は大幅に低下する。このような生息地では、濁汰は早生まれの個体に対する投資(産卵期間が短くなる)を大きくするように働く。そこでは、産卵場所選択や卵吸収はむしろ不利となるので、個体群の安定化は十分に達成されなくなる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大串隆之: "植物を介する昆虫種間の相互作用" 日本生態学会誌. 45. 33-42 (1995)
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[Publications] Price,P.W.& Ohgushi,T.: "Preference and performance linkage in a Phyllocolpa sawfly on the willow,Salix miyabeana,in Hokkaido" Researchrs on Population Ecology. 37. 23-28 (1995)
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[Publications] Ohgushi,T.& Sawada,H.: "Demographic attributes of an introduced herbivorous lady beetle" Researchrs on Population Ecology. 37. 29-36 (1995)
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[Publications] Ohgushi,T.: "Consequences of adult size for survival and reproductive performance in an herbivorous lady beetle" Ecological Entomology. (In press).
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[Publications] Ohgushi,T.: "A reproductive tradeoff in an herbivorous lady beetle:egg resorption and survival" Oecologia. (In press).
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[Publications] Ohgushi,T.: "Population Dynamics:New Approaches and Synthesis" Academic Press,San Diego,USA, (1995)
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[Publications] 大串隆之: "地球共生系:多様な生物の共存する仕組み" クバプロ 東京, (1995)