1995 Fiscal Year Annual Research Report
熱拡散・水蒸気浸透圧による体内ガス輸送の光合成関与に関する研究
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06640810
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
土谷 岳令 千葉大学, 理学部, 助手 (20227432)
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Keywords | 水蒸気浸透圧 / 換気 / 光合成 / 蒸散 / 植物生態学 / 水界生態学 |
Research Abstract |
浮葉植物でみられる換気の機能は、還元的環境にある根やそのまわりの土壌中の酸素条件を改善し、根の高い活性を維持することであると考えられてきた。ところが、換気にとって葉の光合成速度も増加することを示唆する実験結果を得た。そこで測定方法の改良をさらに進めて実測値の信頼度をあげるとともに、スイレン属の種Nymphoides odorataやミズヒナゲシHydrocleys nymphoidesなどを用いて種々の環境条件下での気孔コンダクタンス、葉温、葉内および葉柄内炭素ガス濃度の変化を同時に測定することを試みている。本年度は同時に、最も単純な実験系としてチャンバー内の空気圧力を高めて強制的に一定の速度で換気するシステムを構築した。換気速度と光合成速度の増加との関係は正の相関があるが、まだ精度の点で満足いく結果は得られていない。 換気速度を変化させると葉柄から地下部に送り込まれる空気の炭酸ガス濃度は速やかに変化した。その空気の炭酸ガス濃度は換気速度が充分速い場合でもかなりの頻度で1mPa Pa^<-1>をこえることがあり、これは葉柄および葉身の空隙付近の細胞の呼吸のためと思われる。このこと自体は換気による光合成速度増加量の計算にはほとんど影響しないが、光合成が盛んにおこなわれている葉の上部の柵状組織細胞近くの空隙と換気の主な通り道と思われる葉下部の大きな細胞空隙での炭酸ガス濃度が大きく異なっている可能性を示唆するものである。今後は炭酸ガス濃度やコンダクタンスの葉内分布を測定する方法を考える必要がある。
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Research Products
(1 results)