1995 Fiscal Year Annual Research Report
不妊の兵隊カストを持つアブラムシ類の繁殖様式と個体群動態
Project/Area Number |
06640826
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Research Institution | Okinawa University Junior College |
Principal Investigator |
伊藤 嘉昭 沖縄大学短期大学部, 教授 (50115531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 淳一 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041622)
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Keywords | アブラムシ / 兵隊カスト / 真社会性 / 個体群動態 |
Research Abstract |
本研究初年度(平成6年度)に設置した鹿児島と沖縄の調査地で、兵隊カストを持つタケツノアブラムシとコウシュンツノアブラムシの個体群動態を調べ、また標本の顕微測定によって兵隊率と成虫率、有翅成虫率を知り、それらとコロニーサイズや竹の状態との関連を調べた。また飼育により兵隊型、繁殖型の幼虫の産出順序を調べた。平成7年度に明らかに出来たことは、沖縄のタケツノアブラムシは鹿児島と個体群動態が異なり、秋に増加する点は同じだが、鹿児島では高密度が続く12月、1月に激減すること、また兵隊率が最高となる秋にも鹿児島よりずっと兵隊率が低いことである。この原因尾一つは沖縄における寄生ホウライチクの成長の違いにあるらしいが、天敵相の違いも関係している可能性があり、平成8年度の調査でこれを解明したい。また兵隊産出にもっとも関与する要因はコロニーサイズであることを明らかにし、発表した。兵隊カストが実際にコロニー防衛に役立つことも明らかに出来、発表した。タケツノアブラムシは、先に報告した(Tanaka & Ito,1994)コウシュンツノアブラムシと同様繁殖型を先に兵隊型をあとに産むようだが、これは平成8年度に追試したのち発表する。また名古屋に産するイスノフシアブラムシは兵隊カストは作らないが全1歳幼虫がこれを食うクロフマエモンコブガの幼虫を攻撃することを明らかにし、これも発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tanaka,S. & Y.iTO: "Reversal of caste production schedule in a eusocial aphid,Pseudoregma koshunensis" Naturwissenschaften. 81. 411-413 (1994)
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[Publications] Tanaka,S. & Y.Ito: "Interrelationships between the eusocial aphid,Pseudoregma bambucicola,and its syrphid predator,Eupeodes confrater" Japanese Journal of Entomology. 63. 221-228 (1995)
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[Publications] Ito,Y.,S.Tanaka,J.Yukawa,& K.Tsuji: "Factors affecting the proportion of soldiers in eusocial bamboo aphid,Pseudoregma bambucicola,colonies" Ethology Ecology & Evolution. 7. 335-345 (1995)
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[Publications] Kurosu,U.,I.Nishitani,Y,Ito & Aoki,S.: "Defenders of the aphid Nippoaphis distyliicola(Homoptera)in its completely closed gall." Journal of Ethology. 13. 133-136 (1995)