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1995 Fiscal Year Annual Research Report

黄色植物光合成系および光捕捉系の特異性 特に分子構成とエネルギー転移について

Research Project

Project/Area Number 06640839
Research InstitutionKYOTO UNIVERSITY

Principal Investigator

加藤 哲也  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30025308)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 歩  京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10197402)
Keywordsカロテノイド / フコキサンチン / エネルギー転移 / 光捕捉系の再構成 / 黄色植物 / 褐藻 / 光合成色素 / フコキサンチン-クロロフィルa / c蛋白
Research Abstract

褐藻の光合成の光捕捉は主にfucoxanthin-Chl a/c蛋白によっており、この系ではfucoxanthinによって吸収されたエネルギーがChl aへ転移され、その後はChl a→Chl a間の移動で反応中心に運ばれる。この光捕捉系でfucoxanthinが遊離の形とは異なった長波長型をとっている根拠、そして構造的に特殊なfucoxanthinが光捕捉に用いられる分子的基礎を知るために、この系のfucoxanthinを選択的に他のcarotenoidで置換しfucoxanthinと蛋白分子との相互作用をしらべることを試みた。Ectocarpusから精製し脱水乾燥したfucoxanthin-Chl a/c蛋白を含水diethyletherで処理することによって、Chl a含量を減らさずにfucoxanthinを20%まで失った蛋白を得た。この蛋白を表面活性剤で可溶化しfucoxanthinを添加すると黄褐色の再結合体を生ずるがfucoxanthinからChl aへエネルギー転移の効率はもとの蛋白の40%程度と低かった。得られたfucoxanthin再結合体を表面活性剤存在下で電気泳動を行うと結合したfucoxanthinの量を減らすことはできるが、エネルギー転移を行う成分を濃縮することはできず、エネルギー転移に有効なfucoxanthinが蛋白と特に強く結合をしているとは考えにくい。また、添加するfucoxanthinを制限すると結合したfucoxanthinの吸収極大は長波長型に移行するが、この条件でもChl aへのエネルギー転移の効率は特に高いわけでなく、fucoxanthinの長波長型がChl aへのエネルギー転移における充分条件でないことを示している。この実験系を用いて、黄金色藻Ruttneraの光捕捉カロテノイドhexanoyl oxyfucoxanthinおよび渦鞭毛藻のカロテノイドperidininの結合能をしらべたが、いずれもfucoxanthin-除去蛋白への結合は低く、褐藻の蛋白がfucoxanthinに特異性をもつことを反映するものと理解されるが、もっと構造の類似したカロテノイドで検討することが必要と思われる。この実験系はカロテノイド光捕捉の基礎を解明するのに有用な系であるが、この実験の途中でfucoxanthin-Chl a/c蛋白を調製するための藻類の培養に障害が生じ、この実験の継続が不可能になってしまったのは実に残念なことであった。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Ohno, T.: "The origin of algal-bivalve photo-symbiosis" Paleontology. 38. 1-21 (1995)

  • [Publications] Osuka, A.: "Fucoxanthin-pyropheophorbide and zeaxanthin-pyropheophorbide dyads as new models for study on carotenoid-chlorophyll excited state interaction" Bull. Chem. Soc. Japan. 68. 3255-3268 (1995)

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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