1994 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系IIに存在するシトクロムb-559は光ストレスを緩和する能力を持つか?
Project/Area Number |
06640845
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡山 繁樹 九州大学, 理学部, 教授 (50038444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 典明 福岡女子大学, 家政学部, 教授 (70207249)
土井 道生 九州大学, 理学部, 助手 (00167537)
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Keywords | 光化学系II / 光ストレス / 光傷害 / シトクロムb559 / 酸化還元電位 |
Research Abstract |
光化学系IIの光障害は反応中心還元側の過剰還元にもとづく場合と,酸化側の過剰酸化にもとづく場合が知られている。本年度は光化学系II酸化側の過剰酸化による光障害と,シトクロムb-559の分子的性質の変化を解析した。光化学系II標品中に含まれるシトクロムb-559には酸化還元電位の異なる3つの型(高電位,中電位,低電位型)があり,それぞれの酸化還元電位(E_<m7>)は+435,+237,+45mVであった。この3型はヘム周辺の分子的微環境(特に疎水性に関わる)の違いを反映したものと考えられる。これら3電位型の割合は光化学系II標品のヒドロキシルアミン処理によって影響されなかった。ヒドロキシルアミン処理光化学系II標品を光照射し,光化学系IIの過剰光酸化を引き起こすと,それに伴い高電位型のシトクロムb-559が減少し,代わりに今まで知られていなかった新しい電位型(遷移中電位型,E_<m7>=+350mV)が生じることを見いだした。さらに,この遷移中電位型はやがて減少し中電位型を経て,低電位型になることを明らかにした。高電位型から遷移中電位型への変化はTyr_Zの光破壊に,遷移中電位型の減少はTyr_Dの光破壊に対応することも見いだした。これらのことは高電位型シトクロムb-559はTyr_Zへ,遷移中電位型はTyr_Dへの電子供与により,光化学系IIの光ストレスを緩和する可能性を示唆するものである。
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Research Products
(1 results)