1995 Fiscal Year Annual Research Report
植物のリノレン酸代謝系に果たすガラクトリパーゼの役割
Project/Area Number |
06640849
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Research Institution | HOKKAIDO TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
榊 剛 北海道東海大学, 工学部, 助教授 (70124344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 晃弘 北海道東海大学, 工学部, 教授 (50012266)
有賀 寛芳 北海道大学, 薬学部, 教授 (20143505)
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Keywords | ガラクトリパーゼ / ガラクト脂質 / リノレン酸代謝 / ジャスモン酸 / 環境ストレス / インゲン葉 |
Research Abstract |
ジャスモン酸などの生理活性物質を合成する植物のリノセン酸代謝系に、ガラクトリパーゼがどのような役割を果しているかを明らかにする目的で、以下の研究を行った。 1.タラクトリパーゼに関する研究: インゲン葉の磨砕液には、細胞の膜脂質を瞬時に分解できるほど高いガラクトリパーゼ活性が見出される。この活性が葉の細胞内で調節されている仕組みを明らかにするため、各種プロテアーゼ阻害剤、SH保護剤、酸化剤、修飾試薬などを含む緩衝液で葉を磨砕し、抽出液中の酵素の比活性を測定した。その結果、酵素活性の調節にプロテアーゼが関与する可能性は低く、むしろSH/SS変換が関与していることが示唆された。 2.ガラクトリパーゼ遺伝子に関する研究 昨年度に引き続き、ダイズ培養細胞由来のcDNAライブラリーから抗体によるガラクトリパーゼcDNAのスクリーニングを行なったが、陽性ファージのクローン化に至らなかった。抗体の純度に問題があることが分かり、ファージの発現タンパク質で精製した抗体を用いてスクリーニングを継続している(エピトープ選別法)。得られた精製抗体がガラクトリパーゼを阻害することから、選別したファージが目的のcDNAを保持すると思われる。 3.ジャスモン酸に関する研究: 植物組織に含まれるジャスモン酸を定量するため、エタノール抽出、活性炭カラム、イオン交換と逆相カートリッジ、HPLCによる抽出・分画法を試みた。標準ジャスモン酸を用いて本法の最終回収率66%を求めた。バレイショ塊茎のジャスモン酸を分析したところ、HPLCにてジャスモン酸と思われる微小ピークを検出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sakaki, T.: "Lipids and fatty acids in guard-cell protoplasts from Vicia faba leaves" Phytochemistry. 40. 1065-1070 (1995)
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[Publications] Takeuchi, Y.: "Peroxidetion of lipids and growth inhibition induced by UV-B irradiation" Plant Cell Reports. 14. 566-570 (1995)