1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640852
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
桜井 英博 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和仁 神奈川大学, 理学部, 助手 (20221088)
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Keywords | Fe-S center / 緑色硫黄光合成細菌 / 光化学反応系 / 光合成 / Chlorobium / Fd / Cyt_c / NADP光還元 |
Research Abstract |
[反応中心結合Cyt cの同定]緑色硫黄光合成細菌Chlorobium tepidumから調製時の嫌気性維持に細心の注意を払うことにより高い光化学反応活性を有する光化学反応中心(RC)を抽出精製した。この標品は、3種のFe-SセンターとCyt_<c551>(Mr 23kDa)を結合し、結合Cyt_<c551>はRCの光励起によりすみやかに光酸化された。Felier at al.(1992)らはC. limicolaから反応中心粒子を粗精製し、結合しているCyt_<c553>はMr 32 kDaでテトラヘムであると報告していた。精製の各段階でheme染色法を用いて調べると、Mr 32 kDaのCyt_cは精製途中でRCと分離された。最終精製標品では光酸化された反応中心P840+の光還元に対応したCyt_<c551>の光酸化が測定された。Okkelsら,Oh-okaらもCyt_<c551-552>の光酸化を報告しているので、Chlorobiumの結合Cyt_cはテトラヘム型でないことがMr 32 KDaのCyt_<c551>であることが強く示唆された。 [NAD(P)^+光還元活性]緑色硫黄光合成細菌の光化学反応中心(PS-C)は、PSI同様光エネルギーを用いてNAD(P)^+をNAD(P)Hに光還元することが膜標品において報告されているが、活性の高いRCの調製が困難であったためNAD(P)^+光還元活性の高い標品は報告されていなかった。C. tepidumよりFd, FNRを単離精製し、精製PS-C標品のNAD(P)^+光還元活性を測定した結果、膜断片及びPS-C標品でそれぞれ113及び39μ moles/mg BChl a/hrの活性を示した。 [Heliobacteria光化学反応中心複合体の精製]PS-C同様Fe-S型反応中心を持つと考えられているHeliobacteriumからは、光還元されるFe-Sセンターを持つ反応中心(PS-H)粒子はまだ精製されていなかったが、われわれはHeliobacillus mobilisから精製に成功した。この標品は室温において光照射する事によって極低温EPRにおいてgz=2.05,gy=1.89にシグナル示すが、暗所で凍らせた標品においてはシグナルが見られないことからこのPS-H標品はRieske様なFe-Sセンターを含まないことが示された。
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