1994 Fiscal Year Annual Research Report
渦鞭毛藻類の眼点の構造と形成過程の解析:細胞内共生起源の観点から
Project/Area Number |
06640856
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀口 健雄 北海道大学, 理学部, 助教授 (20212201)
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Keywords | 渦鞭毛藻 / 眼点 / 細胞内共生 / 微細構造 |
Research Abstract |
本研究における第一の目的である渦鞭毛藻類の培養株の確立に関しては,静岡県浜名湖,瀬戸内海,房総半島,三浦半島などで採集をおこない,眼点を有するScrippsiella hexapraecingula,Scrippsiella gregaria,Gymnodinium pyrenoidosumなど,および非眼点性の渦鞭毛藻類 Alexandrium hiranoi,Amphidinium spp.および未記載の渦鞭毛藻1種の培養株を確立することに成功した。この未記載の一種は新属・新種であることが明らかとなり Amphidiniella sedentaria Horiguchiとして公表した。第二の目的である眼点の微細構造の解析に関してはS.praecingulaにおいては葉緑体の中に脂質顆粒が存在するタイプであり,脂質顆粒は2層構造となっていることが明らかとなった。このようなタイプの眼点は他の植物群では緑藻でのみ知られるもので,渦鞭毛藻の葉緑体ならびに眼点の起源を考える上で興味深い。また,渦鞭毛藻のうちで眼点が「葉緑体の中に赤い顆粒が存在する」タイプのものをもつ種類は今の所,例外無く光合成色素としてクロロフィルa+cとペリディニンをもつらしいことが明らかとなってきた。一方,黄金色藻を内部共生体にもつ渦鞭毛藻類は6種類が知られる(そのうち4種類は申請者が発見した)がこれらは例外無く,3重膜に囲まれた多層の脂質顆粒から成るタイプの眼点をもち、しかもその眼点は葉緑体とは離れて渦鞭毛藻の細胞質に存在することを明らかにした。この6種類は形態的にはかなり異なっており,現在では異なる分類群に分類されるが,この眼点と内部共生体という独立した要素がこれら6種類で共通しているということは,これらが単系統性である可能性も示唆しており,この点に関する検証が今後の課題である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.HORIGUCHI: "Gymnoclinium natalense sp.nov.(Dinophyceae),a new tide pool dinoflage llate from South Africa." Japanese Journal of Phycology. 42. 21-28 (1994)
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[Publications] T.HORIGUCHI: "Ultrastructure and ontogeny of a new type of eyespot in denoflage llates." Protoplasma. 179. 142-150 (1994)
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[Publications] T.HORIGUCHI: "Ultrastructure of a new marine sand-dwelling dinoflgellate,Gymnodinium quadriboratum sp.nov.(Dinophyceae)with special reference to its endosymbiotic alga." European Journal of phycology. 29. 237-245 (1994)
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[Publications] T.HORIGUCHI: "On the identity of a red-tide dinoflagellate in Manibago Bay,Philippines." Bulletin of Plankton Society of Japan. 41. 166-169 (1994)
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[Publications] T.HORIGUCHI: "Amphidiniella sedentaria gen.et sp.nov.(Dinophyceae),a new sand-dwelling dinoflagellate from Japan" Phycological Research. 43(in press). (1995)