1996 Fiscal Year Annual Research Report
海産プラナリアの形態分化機構の解析、特に誘導物質や遺伝子の単離に関する研究
Project/Area Number |
06640857
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石田 幸子 弘前大学, 理学部, 助教授 (80003515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 あきら 弘前大学, 理学部, 教授 (80034635)
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Keywords | 海産プラナリア / ホメオボックス遺伝子 / 生殖細胞の決定 / 多岐腸類 / 形態分化 / 再構築実験 |
Research Abstract |
1.解離した細胞からの再構築実験に関する研究 完全な一個体へ再構築するまでには至らなかったが、三胚葉性動物であるプラナリアではこれが限界であると考えられる大きさ(長径約2mm)の細胞塊は得ることが出来、その内部構造を明らかにして昨年夏オーストラリアのブリスベンで開催された第8回国際渦虫類生物学シンポジウムで発表した。この細胞塊の表層は、繊毛を持った細胞で覆われているが、モノクローナル抗体を用いた免疫化学的研究からこれらの細胞は表皮細胞ではなく、腸壁細胞であることが判明した。 2.ホメオボックス遺伝子の単離に関する研究 Hox型のホメオテック遺伝子を断片ではあるが、2つほど単離することが出来た。これはショウジョウバエのlabとは80%、Antpとは76%の相同性を持っている。 3.他に単離に成功した遺伝子を用いての研究 海産プラナリア2種からミトコンドリアゲノム中のラージサブユニットrRNA遺伝子(mtlrRNA遺伝子)の一部と、チトクロームCオキシダーゼサブユニット1遺伝子(CO1遺伝子)の一部をPCR法によりクローニングし、これらを用いて海産プラナリアの胚でホールマウントin situハイブリダイゼーション法により遺伝子発現を調べ、mtlrRNAがミトコンドリアの外に出ていることを確かめた。ショウジョウバエやカエルでは、ミトコンドリアから出たmtlrRNAが生殖細胞決定に関与していることが近年明らかにされているので、プラナリアにおいてもmtlrRNAが生殖細胞決定に関与しているのか調査中である。
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