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1995 Fiscal Year Annual Research Report

爬虫類のカルシトニン:その一次構造と生理活性の解明

Research Project

Project/Area Number 06640861
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

笹山 雄一  金沢大学, 理学部, 教授 (30018999)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴木 信雄  金沢大学, 理学部, 助手 (60242476)
Keywords爬虫類のホルモン / カルシトニンの一次構造 / 分子進化
Research Abstract

Polymerase Chain Reaction(PCR)法を用いて3目4種の爬虫類(メガネカイマン、アオダイショウ、カナヘビ及びクサガメ)のゲノムより、カルシトニン遺伝子の増幅を試みた。その結果、ニワトリのカルシトニン遺伝子の塩基配列の一部をプライマーとして用いた時のみ、それらの爬虫類でヒトのカルシトニン遺伝子と同じ大きさである約150塩基対のDNA断片の増幅が見られた。それらを大腸菌に組み込み、クローニングした結果、それらの増幅されたDNAの塩基配列はニワトリのカルシトニン遺伝子の塩基配列と非常に良く似ていることが明らかになった。
ニワトリのカルシトニン遺伝子と増幅されたDNA断片の類似性は、クサガメにおいては100%、メガネカイマンでは99%、カナヘビでは96%、アオダイショウでは93%であった。この類似の順序は爬虫類内において、これらの動物が系統発生学的にはカメ目、ワニ目、有鱗目のトカゲ亜目、ヘビ亜目の順で分化し、鳥類はワニ目と同じ祖先から分岐してきたという地史的資料と良く一致する。
本研究で増幅されたDNA断片の塩基配列が、爬虫類のカルシトニン遺伝子の一つであると考え、脊髄動物全体のカルシトニンの分子進化を考察すると、原始硬骨魚類が持っていたと思われる基本型のカルシトニンは、進化の過程を通して長期間に渡って保存され、現世の硬骨魚類に広がる一方、爬虫類を経て、鳥類へと受け継がれたと思われる。
以上の結果は、新知見であり、今後、日本動物学会の機関誌であるズオロジカルサイエンス等に投稿予定である。

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Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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