1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640864
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Research Institution | NARA WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野口 哲子 奈良女子大学, 理学部, 教授 (00135823)
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Keywords | トランス-ゴルジ網 / ゴルジ体 / ブレフェルジンA / 免疫電顕法 |
Research Abstract |
ゴルジ体-TGNおよび小胞体(ER)に対する抗体の作製を行った。ゴルジ体-TGNとERは藻類細胞でありながら細胞壁を持たず、大型のゴルジ体を有し、かつ大量培養が可能なEuglenaから単離した。これらのゴルジ体-TGNまたはERを抗原としたポリクローナル抗体(マウスの血清)を得、ELISA法で抗体価の高かったマウスから、更にモノクローナル抗体(マウスの腹水)を作製した。ウエスタン-ブロッティングを行った結果、ポリクローナル抗体はゴルジ体-TGN又はERの多くの構成タンパク質のバンドに反応にたが、モノクローナル抗体はゴルジ体の38.5KDaと44KDaのタンパク質に反応し、ERは85KDaのタンパク質に反応した。この結果は、これらのタンパク質に対するモノクローナル抗体が得られた可能性が高いことを示した。また、これらの抗体を用いてゴルジ体分画とER分画に対する抗体反応部位を免疫電顕法で調べた。その結果、ゴルジ体・ER共に金粒子は膜構造上に特異的に落ちたが、プレイミューンでは金粒子は落ちなかった。今後、これらの抗体を用いた免疫電顕法で、TGNを経由するタンパク質の移行について解析を進めたい。 小胞輸送の阻害剤ブレフェルジンAのTGNに及ぼす影響を調べた。TGNはブレフェルジンA処理によって、大きな管状構造の塊になり、小胞形成を停止した。小胞形成が完全に阻害されたことから、TGNから形成される小胞がβ-COPの関与する非クラスリン性被覆小胞である可能性を示した。
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