1994 Fiscal Year Annual Research Report
ザリガニ尾扇肢運動発現の基盤となる局所神経回路網の三次元構造とその汁プス機能
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06640872
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長山 俊樹 北海道大学, 理学部, 助教授 (80218031)
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Keywords | 神経行動学 / 感覚情報 / 運動出力 / 介在ニューロン / アメリカザリガニ / ノンスパイキングニューロン / 形態 / 機能 |
Research Abstract |
ザリガニは尾部への接触刺激に対し両側の尾扇肢を閉じながら前進する回避行動を示めす。この接触感覚情報がどのようなザリガニ腹部最終神経節の局所神経回路を通して運動出力に変換されるか解析を続けた結果、 (A-1)感覚神経はスパイク発射型の上行性・局在性介在ニューロン並びにスパイク非発射型のノンスパイキング介在ニューロンに直接化学的汁プスを介して接続していること.しかし、運動ニューロンには直接の出力接続を持たないこと。 (A-2)ノンスパイキング介在ニューロンは更に上行性介在ニューロンから興奮性の、一方、スパイキング局在ニューロンからは折利性の入力を同時に受けとっていること。しかし、ノンスパイキング介在ニューロンの出力ターゲットは、もっぱら尾扇肢運動ニューロンであり、上行性、スパイキング局在ニューロンには、出力持続のないことが判明した。 (B)接触刺激に伴う尾扇肢を閉じるという運動パターンは、アセチルコリン、あるいはそのアゴニストの潅液投与によって再現された。また、アセチルコリン受容体のチャンネル・ブロッカーであるクラ-レ存在下では、接触感覚刺激に対して局扇肢運動ニューロンは、何ら顕著な応答を起こさなくなることから、感覚ニューロンからの情報伝達物質がアセチルコリンであることが明らかになった。 (C)レーザー・コンフォーカル顕微鏡画像解析においては、数種類の螢光色素によるニューロン染色を敢行し、ルシファー・イエロ-とエッチジウム・グロマイドによる二重染色が最適であることを確認できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Aonuma H: "Output effects of identified ascending interveurons in the terminal abdominal gauglion of the crayfish Proca-brvus Clarleii (Girard)." Zoological Science. 11. 191-202 (1994)
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[Publications] Namba H: "Descending control of novspiking local interneurous in the termina abdominal gauglion of the crayfish" Journal of Neurophysiology. 72. 235-247 (1994)
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[Publications] Nagayama T: "Morphological and physiological bases of crayfish local circuit nearones" Histology Histolpathology. 9. 791-805 (1994)