1994 Fiscal Year Annual Research Report
単細胞生物に見られるヘモグロビン様タンパク質の比較生理学:特にその構造と機能
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06640874
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松岡 有樹 東北大学, 理学部, 助手 (30222293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 玄一 東北大学, 理学部, 助手 (00197360)
四釜 慶治 東北大学, 理学部, 教授 (40004337)
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Keywords | 原生動物 / 酵母 / ヘモグロビン / 自動酸化反応 / 遠位ヒステジン / ミオグロビン |
Research Abstract |
平成6年度には以下の点について新たな進展がみられた。 二種の原生動物(Tetrahymena pyriformis及びTetetrahymena thermophila)を大量培養し、得られた菌体からヘモルロビン様タンパク質の単離精製法を検討した。その結果、陽イオン交換カラム(CM-cellulose)と陰イオン交換カラム(DEAE-cellulose)を連続して用いることで、高純度のサンプルを得ることに成功した。得られた酸性メト型のヘモグロビンの吸収スペクトルを測定したところ、通常の哺乳動物の場合と極めて類似していた。このことは、原生動物のヘモグロビン様タンパク質が遠位His残基を有していることを強く示唆している。今後はオキシ型の自動酸化反応を検討することにより、結合酸素の安定性について解析する予定である。 酵母(Gandida norvegensis)からヘモグロビン様タンパク質を単離精製する際に、まずセルラーゼを用いて細胞壁を部分的に分解し、次にこの菌体懸濁液を凍結融解処理することによって細胞を充分に破壊して収率を上げることができた。また精製過程で、一部のヘモグロビンにおいて補因子であるFADが外れてしまう問題が生じたが、精製後に大過剰のFADを加え再結合させることで解決できた。平成7年度には、NADHによる還元実験を行い、ヘムとフラビンの酸化・還元状態の相関関係を速度論的、化学量論的に解析する予定である。この研究により、酵母のヘモグロビン様タンパク質の細胞内に於ける生理学的役割について、新たな知見が得られると期待される。
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[Publications] K.Akiyama: "The pH-depemlent swing-cut of the distal Pustidine residue in ferric hemoglobin of midge-larva(Tokunagayusurika akamusi)" Biochimica et Bioplupica Acta. 1208. 306-309 (1994)
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[Publications] K.Shikama: "Aplysia myoglobin with unusual propenties:Another prototype in myoglobin and haemoglobin biochemistry" Biological Rovieus(Cambridge). 69. 233-251 (1994)