1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640882
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 寿夫 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90035692)
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Keywords | ヘモグロビン / レクチン / 環形動物 / 糖鎖接着 / 超分子 / ESI-MS / LDL受容体 |
Research Abstract |
環形動物の巨大ヘモグロビンの分子構築は"12{4(a・A-b-B)・L_2}"と推定されている。本研究では、グロビン鎖の塊(4(a・A-b-B))とリンカー間の結合様式を探ることを目的とした。昨年度の研究でリンカー鎖とグロビン鎖の間にレクチン様の結合が関与していることが推定されたので、本年度はHbの構成鎖に糖鎖の存在を検索した。その結果、2次元に展開した電気泳動上で2種のリンカー,"L1","L2"とグロビン鎖"a"と"A"に糖鎖の存在を見出だした。以上の結果に基づいて、「糖鎖接着」が巨大Hb構築の重要な要因であると結論した。言い換えれば、リンカー同士が糖を介したレクチン様の結合、即ち「糖鎖接着」によって繋がっており、その一部はグロビン鎖の塊に投錨しているものと推定される。 また、我々が全一次構造を決定したイトメHbの各構成鎖の分子量をESI-MSにより測定した。5種のポリペプチド鎖についてはシークエンスから求まる分子量と全く同じ値を得たが、a鎖の分子量はアミノ酸1残基分だけ多い値を示した。ESI-MSの精度は脅威的であり、a鎖の残基数は139から140残基と訂正された。 本年度は昨年度の研究の詰めを行い、それを公表することにかなりの精力を費やした。論文はProNAS,JBC,BBAに通り、Birminghamで開催された第4回国際比較生理生化学会で「無脊椎動物のHb」に関するシンポをオ-ガナイズした。また、Hawaiiで開催された1995環太平洋国際化学会でも発表した。更に、この3月には蛋白研セミナーに招待されている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Satoshi, Ebina: "Carbohydrate gluing, an architectural mechanism in the supramolecular structure of an annelid giant hemoglobin" Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 92. 7367-7371 (1995)
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[Publications] Brian N. Green: "Electrospray ionization mass spectrometric determination of the complete polypeptide chain composition of Tylorrhynchus heterochaetus hemoglobin" J. Biol. Chem.270. 18209-18211 (1995)
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[Publications] T. Gotoh: "Disassembly and reassembly of giant hemoglobin from the polychaete Perinereis aibuhitensis" Physiol. Zool.68. 81 (1995)
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[Publications] Keiko, Matsubara: "Wheat germ aggulutini-reactive chains of giant hemoblobin from the polychaete Perinereis aibuhitensis" Biochim. Biophys. Acta. (in press).