1994 Fiscal Year Annual Research Report
味応答を測定し,味細胞であることを確認した単一細胞からのcDNAライブラリー作成
Project/Area Number |
06640884
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉井 清哲 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (30125364)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁川 純一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00134271)
|
Keywords | 味細胞 / 味蕾 / 受容器電位 / cDNA / 電位固定 / パッチクランプ / PCR / セカンドメッセンジャー |
Research Abstract |
味蕾構造を保存しているマウス剥離舌上皮標本を改良し、味蕾中央部に分布する味蕾細胞受容膜および基底膜の電気性質をギガオームシール法により電位固定下および電流固定下で調べた。 1)受容膜を脱イオン水、基底膜を生理的塩類溶液でかん流した味蕾細胞は、各 種電位依存性電流を発生した。脱分極によって生じる一過性内向き電流は、測定した総ての味蕾細胞で観測された。脱分極によって生じる外向き電流および過分極によって生じる持続性内向き電流を基準に、味蕾内細胞を3種に分類した。1型は飽和する外向き電流、2型は不活性化を持つ外向き電流および持続性内向き電流、3型は遅延性外向き電流および持続性内向き電流を発生した。 2)剥離説上皮標本では受容膜と基底膜を異なる溶液でかん流できる。これらの膜に、TTXおよびKチャネル阻害剤、TEA、を与えイオンチャネルの局在性を調べた。これらに感受性を持つチャネルは基底膜に分布し、受容膜には大量には無いことが示された。 3)これらの電位依存性チャネルの生理的役割を電流固定下で調べた。味蕾細胞は外向き電流で脱分極させると、一連の活動電位を発生した。脱分極の増大とともに、活動電位の発生頻度が増大した。脱分極を持続させても、活動電位は200ms以上は持続しなかった。 4)味覚応答は記録できなかった。パ-フォレイティドパッチを利用する必要があると考えた。 5)PCR法により単一味来細胞からcDNAライブラリーを作成した。現在G-タンパク共役型受容体をコードするDNAをプローブとしてクローニング中である。 本研究から、成熟味細胞が集まる味蕾中央部の味蕾細胞に多様性のあることがわかった。また、マウス味蕾細胞が、活動電位を味覚情報伝達に使用している可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] H. Furue: "Ionic currents recorded from the basdateral and receptor membrane of mouse taste cells" Neuroscience Research. 19. S224 (1994)
-
[Publications] M. Etoh: "Electrical responses of taste cells in peeled epithelium of mouse tongue" Olfaction and Taste X1. 11. 113 (1994)