1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640887
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長井 孝紀 帝京大学, 医学部, 講師 (50130026)
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Keywords | 培養 / 舌上皮 / 舌咽神経 / 両生類 / 味覚 / シナプス |
Research Abstract |
1。舌咽神経の培養:舌咽と迷走神経の複合神経節から、舌咽神経の部分を切り出した。細分後、コラゲナーゼによる酵素処理で、細胞群を集めた。培養液にはL15培地を3分の2に希釈し、アホロートルの生理条件に合わせた。さらに、10%子牛胎児血清を加えた条件で、室温で培養した。培養開始後、24-48時間で神経突起を伸ばしはじめた。大型(直径30μm)の細胞が生育が良かった。2週間後には突起を1mm近く伸ばすまで成長した。 舌上皮の培養:舌上皮から味蕾を含む小片を切り出し、上記と同様の条件で培養した。1週間の培養で、味蕾の外部の上皮細胞は培養器底に付着し、非常に良く成長した。in vivoでは味蕾は多数の細胞集団から成る特徴的な形をとるので、舌の一般上皮細胞と容易に区別される。しかし、培養器底に付着した条件下では、この特徴は失われているらしく、培養倒立顕微鏡下の観察では同定できなかった。舌上皮には味蕾以外にも舌咽神経にシナプス支配される細胞があるので、蛍光色素標識と電子顕微鏡により調べたところ、味覚でなく機械刺激受容性があることが判明した(研究発表の項参照;Nagai and Koyama,1994)。この細胞は単独で存在するので、培養器へ付着した状態での生育はよいかもしれない。 3。味蕾の立体的な形を維持したままで、培養を可能にするためコラーゲン・ゲル中に舌上皮を埋めこんで、L15培地、子牛胎児血清、インシュリン、チロキシンなどを加えた培地での培養を試みた。味蕾の形態を3日以上維持する条件はまだ確立していない。
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Research Products
(1 results)