1995 Fiscal Year Annual Research Report
RAPDマーカー法による遺伝的変異と染色体変異の比較解析
Project/Area Number |
06640900
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小管 桂子 神戸大学, 理学部, 助手 (50215266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 邦秋 神戸大学, 理学部, 教授 (80031376)
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Keywords | プラキスコ-ム属 / RAPDマーカー / adh遺伝子 / 染色体進化 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、キク科ブラキスコ-ム属の植物で染色体数の減少に伴うDNA分子種や染色体構造の変化を明らかにするために、形態、染色体、葉緑体遺伝子解析より、近縁と見なされる群でPCR法による遺伝的変異解析と染色体マッピングを行った。 任意配列プライマーを用いたRAPDマーカー法解析では、種を特徴づけるマーカーはほとんど得られず、種間で共通に出現するバンドと種内で変異するものが検出された。一般にどのプライマーでも、n=9の種群はn=4、3のものより検出されるバンド数が少なく、固体間のバンドパターンの変異も小さい。形態や遺伝子解析の結果より、この属ではn=9のものから、染色体の減数が起こった考えられ、RAPDマーカーやadh遺伝子の多型解析において、少数染色体群で固体間の変異が大きいことは、これらが比較的最近になって急激に分化しつつあることを示唆した。さらに、染色体数の減少した群では逆に遺伝子座の増幅が起こっていることが示唆され、これらは乾燥や洪水など環境の急激に変化する地域に生育しており、適応的な遺伝的変異が生じている可能性が高い。 染色体構造解析のためにRAPDマーカーやadh遺伝子断片を用いて、染色体マッピングを試みたが、これらは遺伝子座の数が少ないためか、検出することができなかった。そこで遺伝子座が重複し、染色体上で検出が比較的容易なリボゾーム遺伝子をプローブとして、染色体マッピングのための実験方法の確立を行った。その結果、染色体プレパラート上でPCR増幅を行った後、ハイブリダイゼーション反応を行うことで、シグナルを得ることが可能となり、今後さらに単一遺伝子座の検出方法の改良を行いたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Denda, T. et al.: "Intron length variation of the Adh gene in Brachyscome (Astereae)." Pl. Mol. Biol.28. 1067-1073 (1995)
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[Publications] Watanabe, K. et al.: "Chromosomal and molecular evolution in the genus Brachyscome (Astereae)." Muelleria. 10(印刷中). (1996)