1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640905
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
星出 一巳 山口大学, 教育学部, 教授 (80034833)
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Keywords | グリガリナ / Monocystidae科 / Apolocystis / Nematocystis / 感染率 / Odonaticola / 核 / ガモント |
Research Abstract |
1.環形動物貧毛類に属するシマミミズ(Eisenia foetida SAVIGNY)イソミミズ(Pontodrilus matsushimensis IZUKA)、フツウミミズ(Pheretima communissima GOTOet HATAI)の3種宿主より、Apolocystis属に属するグレガリナ3種類、Nematocystis属に属するグレガリナ2種類、Monocystidae科に属するグレガリナ1種類を発見した。形態的特徴から考えて何れも本邦で初めて観察された未記載種と考えられる。 2.シマミミズに寄生するグレガリナの感染率と体長の季節的変化を調査した。種類によって季節的変動のパターンは異なるが一般的には春先3月頃から初夏5月後半にかけて感染率が高くなるが、夏場8月頃から9月にかけてはほとんど見ることが出来なくなる。体長に関しては大きな変化は見られないが、冬から春にかけての個体が夏場の個体に比べて若干大きいように見える。 3.脈翅目昆虫ヘビトンボ科の昆虫ヘビトンボ(Protohermes grandis THUMBERG)の消化管内にセファリナグレガリナ類のガモントを発見した。また宿主排出物中に球形のガメトシストを見つけた。個のガメトシストを湿室中に保ったところ、小球形状の多数のオオシストが形成され単純裂開によりガメトシスト外に放出された。 4.トンボ目昆虫の消化管に寄生するグレガリナ類について調べた。今回の調査によりアキアカネ(Sympetrum frequens SELYS)ノシメトンボSympetrum(infuscatum SELYS)に現在まで未記載のOdonaticola属に属するグレガリナが寄生していることを見いだした。Odonaticola属のグレガリナエピメライトの構造を走査電子顕微鏡により調べた。アキアカネに寄生するグレガリナのエピメライトは内外2重の鈎によって構成されていることがわかった。またノシメトンボ、に寄生するグレガリナのエピメライトは鈎はなく縁が帯状になったエピメライトで出来ていた。この様なエピメライトを持ったグレガリナの報告はなく全く新しい種類のグレガリナと考えられる。 5.Odonaticola属グレガリナの核の表面構造を走査電子顕微鏡で調べた。昨年調べたカワトンボのグレガリナとは異なり核表面が滑らかで大小の核膜孔が見られた。
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