1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650003
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
城戸 淳二 山形大学, 工学部, 助手 (50214838)
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Keywords | エレクトロルミネッセンス / 白色発光 / ポリビニルカルバゾール / 蛍光色素 |
Research Abstract |
本年度は蛍光色素を分散したポリマー膜を用いた単層型白色発光素子について検討した。使用したポリマーはホール輸送性かつ青紫色蛍光を有するポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)であり、素子はPVK膜を電極で挟んだ単層型構造とした。陽極には透明電極のインジウムースズ酸化物(ITO)、陰極にはマグネシウム:銀共蒸着膜を使用した。有機材料のエレクトロルミネッセント素子では電極からのホールと電子のキャリアを注入し、再結合させることにより有機分子を励起させる。そこで、PVK膜に電子を注入するため、電子輸送性の低分子青色発光色素であるBBOTを30%分子分散した素子について検討した。この素子に直流電圧を印加すると青緑色の発光が見られ、ホールと電子がPVKとBBOTにより電極から注入され膜中で再結合していることが確認できた。発光スペクトルがPVK、BBOTの蛍光スペクトルとは一致しなかったため、PVKのカルバゾール基とBBOT基でエキシプレックスを形成し、発光が長波長側にシフトしたものと思われる。次に白色発光を得るため、赤色発光を示すニールレッドを第3成分として膜中に添加すると発光は白色となり、1200cd/m^2の輝度を得ることが可能であった。さらに、分散する電子輸送剤をBBOTに変えて1,3,4-オキサジアゾールを30%分子分散した系について検討した。この素子において発光中心としてテトラフェニルブタジエン(青)、クマリン6(緑)、DCM1(黄色)、ニールレッド(赤)の4種の蛍光色素を使用した場合に発光は白色となり、輝度は3600cd/m^2に達した。この高輝度は電子輸送と発光中心に異なる材料を使用し、機能を分離することにより、エキシプレックス形成を回避し、蛍光量子収率を高めたためと考えられる。
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