1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子層エピタキシ-法による高分子薄膜の構造制御と電気・光物性
Project/Area Number |
06650007
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保野 敦史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 文部教官助手 (70234507)
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Keywords | 有機薄膜 / 真空蒸着 / 蒸着重合 / 分子層エピタキシ- / 物理吸着 / 化学吸着 / 平均滞在時間 / 吸着エネルギー |
Research Abstract |
1.付着量変化の測定の結果から、2種類のモノマー分子を交互に蒸着することによりそれぞれの単分子層が形成し、かつ化学的に結合していることが確認された。また、重合反応によって生じた高分子主鎖は基板に対して垂直方向に配向していることが赤外線吸光分析の結果から明らかになった。 2.付着挙動の詳細な解析から、分子の基板上への付着は、強く吸着した化学吸着と、弱く付着しており再蒸発しやすい物理吸着の2種類に分類できることが示された。モノマーの種類、基板の種類、基板温度の差異によって物理吸着と化学吸着の共存形態が変化することも明らかになった。 3.物理吸着においては、付着量の時間変化から平均基板滞在時間を求めることが可能になり、様々な基板種類、基板温度における滞在時間を求めることができた。 4.以上のように、付着挙動の解析については、当初の予定よりも実験が進み、吸着の種類など様々な知見が得られた。また、解析の過程で、平均滞在時間の基板温度依存性から吸着エネルギーを求められることが明らかになり、今後の研究への大きな指針が得られた。 5.赤外線吸収スペクトルを蒸着中にその場観察する実験については、光学系の調節および蒸発速度の制御が困難であったため、満足のいく結果は得られていないため、さらに精密な実験を行う予定である。 6.得られた薄膜の電気・光物性としては、成膜中に外部から電場を印加することによって、脂肪族ポリアミド分子鎖中の双極子を配向させ得ることを、光第2次高調波発生の測定から確認した。
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Research Products
(1 results)