1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650028
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
六倉 信喜 東京電機大学, 工学部, 助教授 (30166227)
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Keywords | ダイヤモンド膜 / 硬質炭素膜 / 高周波プラズマCVD |
Research Abstract |
本研究では,6インチSiウェハ-上へのダイヤモンド膜の合成を目的としているので,それに対応できる成膜装置を開発した.この装置では,室温から500℃の範囲で基板温度を変化させることができる.まず,100%CH_4プラズマで基板温度を変化させてSi基板上に堆積させた硬質炭素膜の特性とSi基板との界面の状態を調べた.硬質炭素膜の成膜速度は基板温度に大きく依存し,室温から200℃の範囲では基板温度の上昇と共に急激に減少し,それ以上の基板温度の上昇に対してはゆるやかに減少する.この傾向はガス圧力を変化させてもほとんど変わらない.しかし,炭素膜の密度に関してはガス圧力依存性が見られ,60mTorr以上では基板温度に対してほとんど変化しないが,それ以下のガス圧力では基板温度の上昇に対して徐々に増加し,400℃では2.8g/cm^3の値が得られた.この値は通常の硬質膜の密度(約2g/cm^3)よりも高く,したがって,膜中もしくは界面に密度の高い成分が存在することを示唆している.この事は,膜中にダイヤモンドの微粒子が確認された我々の従来の研究結果と良く一致している.次に,Fe/Si基板を用いた場合では,炭素膜とSi基板との界面に極めて耐エッチング特性の高い薄膜の存在が確認された.この薄膜は,従来の研究結果と考え合わせれば恐らくダイヤモンド層と考えられるが,今後XPS等の分析により詳しい特性を調べる予定である.尚,Fe薄膜を触媒に用いることにより,SiO_2基板上でもこの耐エッチング特性の高い薄膜を堆積させることが出来ることが解った.
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