1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650044
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朝倉 利光 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70001188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 卓 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40204036)
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Keywords | 多重散乱 / 動的光散乱 / 粒子懸濁液 / ブラウン運動 / 二波長相関 / 流速計測 |
Research Abstract |
微粒子懸濁液に二波長相関法を適用し、多重散乱光の時間特性を実験的に解析した。具体的には、二つの異なる波長をもつコヒーレント光を試料の多重散乱流体に照射し、二波長の散乱光強度ゆらぎの相互相関関数から散乱光の相関時間や相関度を測定・評価した。 微粒子懸濁液からのコヒーレントな散乱光の時間的ゆらぎは、位相ゆらぎと散乱体積内にある粒子数の変動による数ゆらぎの影響を受ける。従来の一波長自己相関法で懸濁液全体のマクロな流れをとらえようとする場合、ブラウン運動によって生じるランダムな位相ゆらぎの影響が支配的となり、流れの情報を含む数ゆらぎはほとんど検出できない。そこで、静止試料の各種特性を測定する手法のひとつであった二波長相互相関法を運動微粒子を含む流体に適用した結果、ランダムな位相ゆらぎを除去して数ゆらぎだけを選択的に取り出せることが明らかとなった。その結果、従来困難であった高濃度多重散乱媒質の平均流速を測定できた。さらに、二つの波長差を大きくとることでより効果的に位相ゆらぎが押さえられること、および速度の測定値は粒子濃度にほとんど依存しないことも示された。 また、二波長の強度ゆらぎの相関度は、個々の粒子の散乱断面積および粒子数密度に依存しているため、粒子径および濃度の情報を含んでいることが示された。 以上の結果から、新たなレーザー速度計測および粒子計測の原理を提案した。
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