1994 Fiscal Year Annual Research Report
極性不均質熱弾性論の構築とその多孔質傾斜機能材料の数理熱応力解析への応用
Project/Area Number |
06650079
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菅野 良弘 岩手大学, 工学部, 教授 (90089160)
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Research Abstract |
傾斜機能材料の熱応力緩和のための材料設計(組成分布設計)を行うためには、任意の熱的不均質特性をもつ不均質体の非定常熱伝導問題の解析法を開発しなければならないが、平成6年度において不均質中空円筒と不均質平板について任意の不均質性を有する場合の解析法を開発し、それぞれ日本機械学会の全国大会講演会(北海道大学工学部、8月18、19日、講演論文集、No.940-30,pp.130-132)、日本機械学会の材料力学講演会(徳島大学工学部、10月13、14日、講演論文集、pp.86-87)にて発表した。また、任意の不均質性を有する傾斜機能材料の3次元非定常温度場と熱応力場を解析できる手法を開発し、1995年3月29〜31日の日本機械学会総会講演会(早稲田大学理工学部、講演No.1428)にて発表を予定している。3次元温度場のもとで任意の不均質性を有する傾斜機能材料の大局的熱応力緩和の方法については傾斜機能材料論文集に公表した。さらに、気孔の存在、形状が傾斜機能材料の熱応力緩和に及ぼす影響を考慮できる、偶応力を考慮した不均質熱弾性論(極性不均質熱弾性論)を応力関数法で、多重連結領域の場合について定式化できた。この定式化された基礎微分方程式は傾斜機能中空円筒に対してはBessel関数、中空楕円筒に関してはMathieu関数,変形Mathieu関数で解析解が表された。Matieu関数、変形Math-ieuは数値計算ライブラリがどこにも公表されていないが、均質中空楕円筒の非定常熱応力に関する既報の論文の解析において菅野らが提案しているので、これを使用してパソコン上で数値計算するプログラムを現在作成中である。傾斜機能材料からなる中空円筒の偶応力を考慮した熱応力解析(構築された極性不均質熱弾性論に基づく熱応力解析)に関しては、数値計算結果を含め、気孔の存在、幾何学形状が熱応力緩和に及ぼす影響を明確にして1995年6月以降の日本機械学会の全国大会講演会で講演をしたいと考えている。
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Research Products
(2 results)