1995 Fiscal Year Annual Research Report
流体含む多孔質弾性体の力学の孔版印刷技術への適用に関する研究
Project/Area Number |
06650080
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
倉茂 道夫 岩手大学, 工学部, 教授 (20005416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 和郎 岩手大学, 工学部, 助手 (70113850)
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Keywords | 孔版印刷 / 多孔質材 / インク / スクリーン / マスター / プレスローラー / インクローラー |
Research Abstract |
昨年度の成果(数理的数値的解析の基礎となる孔版印刷機の諸元の測定・各部材やインクの物性地の測定、実際の孔版印刷機の印刷状況の観察、インク移送の定性的検討、モデルの提案)に基づく数理解析を行った。すなわち、孔版印刷機のスクリーンとマスターをインクで飽和した単一の多孔質弾性層と見なし、この多孔質弾性層の力学的挙動を解析した。この際、実験により観察された多孔質層の非線形応答をも考慮した。その結果、次の結論を得た。 (1)インクを含んだスクリーンとマスターの力学的挙動は、4つの無次元パラメータによって支配される。 (2)弾性層の非線形性のの影響は、定性的にはかなり大きいが、以下に述べる定性的な結論には影響しない(線形解析と同じである)。 (3)プレスローラによるインクで飽和した多孔質弾性層の圧密によるインクの絞り出しが、種々のインク移送のメカニズムの中で、重要な(または、支配的な)役割を果たしている。特に、プレスローラによる圧迫時間が短いときには、支配的である。 (4)プレスローラの接触圧が減少して行く段階で、マスターへのインクの吸い戻しがある。これは、圧密された多孔質弾性層の弾性回復が原因である。従って、スクリーンやマスターの材料は、長時間の使用に対し「へたらないない」ものでなければならない。 (5)プレスローラによる圧迫時間が多孔質弾性層の特性時間よりやや短いとき、および、プレスローラのオフセット量が多孔質層の上面のインク圧のピークの前方へのずれにおよそ等しい時、マスターから印刷紙へのインクの移行量が最大になる。
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