1994 Fiscal Year Annual Research Report
異材接合端の応力特異性出現・消失のマクロ・ミクロ解析を用いた最適接合形状の逆設計
Project/Area Number |
06650108
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 工学部, 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大路 清嗣 大阪大学, 工学部, 教授 (20028939)
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Keywords | 異種接合材 / 応力特異性 / 境界要素解析 / 分子動力学解析 / 逆設計 / 最適形状設計 / 直交異方性材料 / 振動特異性 |
Research Abstract |
本研究では,応力特異性の消失に基づいて異種材料接合体の総合強度を高めるように,接合材の最適な幾何学的形状を求める逆設計を行った.まず,接合端のマクロな応力特異性の固有値解析を行った.この理論的展開の有効性を境界要素マクロ解析と分子動力学ミクロ解析により確認し,接合端で応力の特異性が消失する幾何学的条件を明らかにした.次に,この特異性消失の幾何学的条件を満足させながら界面上の垂直応力あるいはせん断応力が最小になるように,界面の形状あるいは接合体自由表面の形状の最適逆設計を行った.さらに,界面欠陥同定に対して,電気ポテンシャルCT法を適用した.主な研究成果は,以下の通りである. 1.直交異方性連続体の接合について,接合端のマクロ応力特異性を特性方程式により求める理論解析を行い,特異性が消失するような接合端の幾何学的条件が存在することを明らかにし,その条件を議論した. 2.境界要素法によるマクロ解析を用いて,界面端近傍の応力を調べ,理論的予測通りの指数の応力特異性が現れ,また接合角の変更により指数型および対数型の特異性が消失することを確認した. 3.分子動力学法を用いて,接合端のごく近傍のミクロ解析を行い,マクロ解析の結果が,分子動力学解析結果と対応することを示した.また,振動特異性の存在下ではき裂長さの相違によりき裂先端場に位相変化が生じることを明らかにした.界面き裂からの破壊挙動に及ぼす負荷モード,き裂長さ,界面強度の影響を調べた. 4.接合端で特異性消失条件を満足し,界面で最大垂直応力あるいは最大せん断応力が最小になるような最適接合形状を求める逆設計を行った.このような逆設計が可能であることを示し,形状の条件を明らかにした. 5.電気ポテンシャルCT法により界面欠陥の同定ができることを数値的および実験的に示した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 井岡 誠司: "熱応力負荷下における異種接合材料の最適形状設計に関する基礎的検討." 日本機械学会講演論文集. No.940-30.Vol.1. 181-183 (1994)
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[Publications] 井岡 誠司: "異種接合材の界面端部における複数・複素数型応力特異性の発生に関する検討" 日本機械学会関西支部第70期定時総会講演会講演論文集. (発表予定). (1995)
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[Publications] 井岡 誠司: "異種接合材の界面端近傍に生じる応力特異性に関する検討" 日本機械学会関西支部第70期定時総会講演会講演論文集. (発表予定). (1995)
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[Publications] Jirasak Sarasinpitak: "電気ポテンシャルCT法による異種接合界面の欠陥同定" 日本機械学会第72期通常総会講演会講演論文集. (発表予定). (1995)
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[Publications] 中田匡浩: "分子動力学法を用いた界面き裂の挙動評価" 日本機械学会第72期通常総会講演会講演論文集. (発表予定). (1995)
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[Publications] Seiji IOKA: "Free-Edge Stress Singularity Its Disappearance in Bonded Dissimilar Materials Under Thermal Stress Loading" 1st Int.Symp.on Thermal Stresses and Related Topics. (発表予定). (1995)