1995 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化複合材料における熱疲労き裂の発生および伝ぱ機構の界面力学による解明
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06650109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中井 善一 神戸大学, 工学部, 助教授 (90155656)
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Keywords | CFRP積層板 / 層間はく離 / 疲労き裂伝ぱ / 試験温度の影響 / 荷重操夙速度の影響 / 熱疲労 / 界面力学 / 繊維強化複合材料 |
Research Abstract |
一方向CFRP積層板のDCB試験片を用いて,ΔK一定条件下で一定温度および荷重とともに温度が変化する場合(熱疲労)の疲労き裂伝ぱ試験を調べ,以下の結論を得た. (1)大気中においては,き裂伝ぱ速度は試験温度に依存せず,また,一定温度試験の結果と熱疲労試験の結果も相違が見られなかった. (2)水中においては,試験温度が高いほどき裂伝ぱ速度が小さかった.また,最大荷重の時最大温度となるin-phase熱疲労試験の結果は,最大温度と等しい温度の一定温度試験の結果と一致していた. さらに,疲労き裂伝ぱ挙動に及ぼすき裂先端繊維配向角および試験片板幅の影響を調べ,以下の結論を得た. (1)板幅20mmの試験片の場合,き裂先端繊維配向角が小さいほどき裂伝ぱ速度が大きかった.また,板幅10mmおよび5mmの場合も,一方向材のき裂伝ぱ速度は最も速かったが,板幅10mmの場合,繊維配向角30°以上では繊維配向角の影響は認められず,板幅5mmの場合は,繊維配向角の大きい方がき裂伝ぱ速度が大きかった. (2)一方向材の場合,板幅が大きいほどき裂伝ぱ速度が大きかったが,繊維配向角の増加とともにその関係は変化して行き,繊維配向角が90°の場合,板幅の小さい方がき裂伝ぱ速度が大きくなった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshikazu Nakai: "Effect of Fiber Orientaion on the Mode I Interlaminar Fatigue Crack Growth Behavior of CFRP Laminates" 7th International Conference on Mechanical Behavior of Materials. 261-262 (1995)
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[Publications] Yoshikazu Nakai: "Evaluation of Fracture Strength of Metal/Epoxy Join by Interface Mechanics" Composites for the presure Vessel Industry, ASME PVP. Vol. 302. 147-152 (1995)
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[Publications] 中井善一,坂田直也: "CFRP積層板のΔK一定試験における層間はく離疲労き裂伝ぱに及ぼす環境の影響" 日本材料学会第8回破壊力学シンポジウム講演論文集. 64-68 (1995)
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[Publications] 中井善一,韓基一,丸野内遥二郎: "CFRP積層板のモードI層間はく離疲労き裂伝ぱに及ぼす試験片板幅の影響" 日本材料学会第25回FRPシンポジウム講演論文集. (掲載予定). (1996)
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[Publications] Yoshikazu Nakai: "Effect of Temperature Change on Delamination Crack Growth of unidirectional CFRP undrer Cyclic Loading" Proc. International Symposium, Fatigue under Thermal and Mechanical Loading Mechanism, Mechanics and Modelling. (掲載予定). (1996)
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[Publications] 中井善一,坂田直也,日和千秋,中居武志: "CFRP積層板の熱疲労におけるモードI層間はく離き裂伝ぱ" 日本機械学会第74期全国大会講演会. (発表予定). (1996)