1995 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル法援用による球状黒鉛鋳鉄の強度信頼性評価
Project/Area Number |
06650113
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 昭治 九州工業大学, 工学部, 教授 (80029199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 良博 九州工業大学, 工学部, 助手 (40156774)
黒島 義人 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50253547)
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Keywords | 球状黒鉛鋳鉄 / 3次元黒鉛分布 / 数値シミュレーション / フラクタル次数 / 基地組織 / 黒鉛性状 |
Research Abstract |
球状黒鉛鋳鉄(DI材)を(基地組織+球状黒鉛)で構成される1種の複合材料として捉え,基地組織をフェライト,パ-ライトおよびベイナイトの3種類に変えた際の低サイクル疲労強度評価を行った.特にフェライト基地材については,疲労強度および破壊機構に及ぼす黒鉛分布の影響について調べるため,黒鉛粒数を高粒数および低粒数に変えたもの,および黒鉛分布が異なるYブロックの上部および下部で採取した試料を用いた.なお,黒鉛性状に関し,従来から強度評価に用いられてきた2次元分布測定に基づいて決定された黒鉛性状パラメータ(球状化率,粒数,平均粒径,面積率等)を用いる寿命評価では不十分なため,試験片表面から得られる2次元的な黒鉛分布を基に計量形態学を用いて各DI材の3次元黒鉛分布を求め,それらと寿命の関係について考察した.そして,疲労強度および破壊機構と大黒鉛の頻度分布が密接に関係することを明らかにした.さらに,黒鉛の3次元分布を考慮したき裂伝ぱシミュレーションを行い,疲労寿命と予測値と実測値が良く一致することを示した. 当初計画したフラクタル法を援用したDI材の強度信頼性評価に関連して,まず詳細な破面観察およびあらさ測定を行った.その結果,(1)疲労破面がフラクタル性を有すること,(2)主き裂伝ぱの影響の無い内部黒鉛周囲の微小き裂伝ぱ域のフラクタル解析結果より,基地組織自体にフラクタル性を有すること,およびフラクタル次数より決まる基地のき裂伝ぱ抵抗の大小と実際の疲労き裂伝ぱ速度の大きさが必ずしも対応しないことが明らかとなった. 初めの研究計画を多少変更したものの,破面情報をフィードバックして寿命を評価することに関しては,ほぼ計画目標を達成したものと考えている.研究計画に掲げながら計画年度内に充分な結果を得られなかった破面のフラクタル解析による疲労強度評価に関する研究は今後とも引続き行い,球状黒鉛鋳鉄の強度評価に関する実用ベースでの強度資料の集積を行う.
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Research Products
(1 results)