1995 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱用不均質材料の材料組成最適化と応力拡大係数の評価に関する解析的研究
Project/Area Number |
06650115
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
谷川 義信 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30081219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 隆介 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70234135)
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Keywords | 熱弾性 / 熱応力 / 高温強度 / 不均質材料 / 材料組成最適化 / 応力拡大係数 / クラック(き裂) / 破壊力学 |
Research Abstract |
本年度の研究計画で取り上げた「熱応力緩和型不均質材料の応力拡大係数の評価」については、以下の成果が得られた。1.材料物性が軸方向に関して任意に変化し得る"カシアの不均質体モデル"に対して、無限体中に円形き裂が存在する場合の応力拡大係数を理論解析し、学術論文として掲載された。不均質材料の物性値、即ち、弾性係数、線膨張係数及び熱伝導率の変化がき裂先端での応力拡大係数に対して大きな影響を及ぼすことが分かった。2.不均質体における熱応力拡大係数の評価のための基礎研究として、カシアの不均質特性を有する半無限体及び厚板の熱弾性問題を取り上げ、2回の口頭発表を行った。学術論文として、投稿の予定である。 次に、前年度からの継続課題である「耐熱用不均質材料における熱応力緩和のための材料組成最適化問題」に関しては、以下の成果が得られた。3.非定常な一様表面加熱を受ける不均質平板に対する熱応力緩和のための材料組成最適化問題について、非線形計画法を用いて理論解析し、学術論文として掲載された。物性値の温度依存性を考慮した場合の最適材料組成が、温度依存性を無視した場合の結果と著しく異なり、その結果、理論解析における物性値の温度依存性の重要性が指摘されたといえる。4.材料組成最適化問題に関して、幾何学的形状の変化について検討するため、中空円筒を解析モデルとして取り上げ、温度落差、板厚、熱伝達率の変化をパラメータとし、最適材料組成を求めた。上記のパラメータ及び物性値の温度依存性が最適材料組成に大きな影響を及ぼすことが分かった。現在、学術論文として、投稿中である。5.上記の他、材料組成最適化問題に関して、4回の口頭発表を行った。6.材料組成最適化問題に関する基礎研究として、不均質材料の熱弾性問題に対して、3編の学術論文が掲載された。また6回の口頭発表を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 谷川義信: "不均質特性を有する平板の一次元非定常熱伝導・熱応力問題" 日本機械学会論文集(A編)[前年度掲載決定として報告]. 61. 607-613 (1995)
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[Publications] 河村隆介: "非定常加熱を受ける不均質ビームの非線形曲げ問題" 日本機械学会論文集(A編)[前年度掲載決定として報告]. 61. 777-783 (1995)
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[Publications] Y.Tanigawa: "Some Basic Problems for Nonhomogeneous Structural Materials" ASME,Applied Mechanics Reviews. 48. 287-300 (1995)
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[Publications] Y.Ootao: "Three-Dimensional Transient Thermal Stress Analysis of a Nonhomogeneous Hollow Circular Cylinder due to a Moving Heat Source in Axial Direction" Journal of Thermal Stresses[前年度掲載決定として報告]. 18. 497-512 (1995)
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[Publications] 谷川義信: "円形き裂を有するKassirの不均質無限体における軸対称定常熱応力と熱応力拡大係数" 日本機械学会論文集(A編). 61. 2584-2591 (1995)
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[Publications] 谷川義信: "一次元非定常温度場における不均質平板の熱応力緩和のための材料組成最適化問題" 日本機械学会論文集(A編). 62. 115-122 (1996)
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[Publications] 谷川義信: "任意の熱伝達条件を考慮した不均質平板の非定常熱応力" 日本機械学会論文集(A編). 62. 131-137 (1996)
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[Publications] Y.Tanigawa: "Transient Heat Conduction and Thermal Stress Problems of a Nonhomogeneous Plate with Temperature-Dependency of Material Properties" Journal of Thermal Stresses. 16. 77-102 (1996)