1995 Fiscal Year Annual Research Report
人に優しいセンサ・アクチュエータのための高分子材料の機能化に関する研究
Project/Area Number |
06650131
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸倉 和 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10016628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 敦 東京工業大学, 工学部, 助手 (50242277)
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Keywords | センサ / アクチュエータ / 高分子材料 / 高分子ゲル / 機能化 |
Research Abstract |
今年度は,しなやかな性質を有する高分子材料の機能化に,レーザ光による表面改質の可能性について検討した.まず,レーザ加工の優位性が言われているポリイミドにエキシマレーザを使用して193nmの紫外光を円形のマスクを通して照射した.エネルギ密度を変えて照射したところ,高いエネルギ密度の場合には焼けたような表面になったが,小さいエネルギ密度にするとマスク形状がきれいに転写されたような穴を得ることができた.しかしその際除去された部分が再付着したり,あたりに飛散する問題が生じた.さらにエネルギ密度を小さくすると材料除去はほとんど進まないが,表面が平滑になり封孔されたように観察された. この現象がポリビニアルコールヒドロゲルにも適用できれば,含有する水分の蒸発を低減させることができると考え,ポリイミドと同様に,凍結解凍して得たヒドロゲルにレーザ照射を行った.しかし,期待した封孔はできないばかりか,却って大きな穴を広げてしまった.その理由として,ヒドロゲルは内部に水分を含有しておりレーザ照射によりそれが蒸発したことが考えられる.この現象は本研究では好ましくないものであるが,水分を包含した材料,或いは表面に水を有する物質へのレーザ照射を検討する上で有益と言える.封孔現象が他の材料でも得られるのではないかと考え,セラミックスを対象にして検討した.その結果,アルミナセラミックスに照射エネルギを制御して照射すると,500回程度照射すると極めて良好な封孔結果が得られた.
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