1994 Fiscal Year Annual Research Report
気相合成ダイヤモンドの熱化学反応による研磨に関する研究
Project/Area Number |
06650132
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥住 文徳 東京工業大学, 工学部, 助手 (40260533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 敦 東京工業大学, 工学部, 助手 (50242277)
吉川 昌範 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016422)
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Keywords | 気相合成 / ダイヤモンド / 熱化学反応 / 研磨 |
Research Abstract |
気相から合成された膜状あるいは板状ダイヤモンドの表面は凹凸が激しく,耐摩耗工具や光学及び電子材料等に供するためには表面の研磨加工が必須である.しかし従来の機械的研磨法では,とくに工具の刃先研磨の場合,研磨時の摩擦抵抗によりダイヤモンド粒が欠けたりチッピングを生じてしまい研磨が困難である.そこで,軽付加で効率良く研磨加工のできる熱化学反応を利用する方法に着目し,曲面を持ったバイトの刃先研磨のできる熱化学研磨装置を試作した.本装置は,グローブボックス,被加工物,取付台,ならびにヒーター部から構成されており,水素を含む雰囲気中で,切削バイトを加熱された低炭素のアームコ鉄の円板にスプリングを介して低荷重下で接触させながら,バイトを刃先を回転させることによって所定のノ-ズ半径に従って刃先を研磨することができ,また被加工物取付台は鉄板に対して左右,垂直方向に動かすことができ,さらに所定の逃げ角をもった逃げ面の刃先研磨ができるように傾斜させることができる. 本装置によって刃先研磨された気相合成ダイヤモンド切削バイトは,ダイヤモンド粒の欠けやチッピングのない滑らかでシャープな刃先であった.この気相合成ダイヤモンド切削バイトで,純アルミニウムおよびアルミノウム合金の切削試験を行った.まず,純アルミニウムの切削試験では,被削材をむしることなく切削が進行し,滑らかな刃先がそのまま転写されて鏡面に仕上げることができた.またAl-Mg合金の切削試験では,100min切削後で被削材の表面粗さは,Rmax0.81μmと天然ダイヤモンド切削バイトのRmax0.73μmに匹敵する値を示し,本研磨法が精密切削加工用気相合成ダイヤモンドチップの有効な刃先研磨法であることがわかった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Okuzumi,H.Tokura,M.Yoshikawa: "Cutting performance of CVD Diamond Polished by Thermochemical Polishing Method" Advances in New Diamond Science and Technology. 783-786 (1994)
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[Publications] 奥住文徳,吉川昌範: "刃付加工したCVDダイヤモンド膜の切削性能" 第8回ダイヤモンドシンポジウム講演要旨集. 16-17 (1994)