1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラッピング加工における砥粒運動の可視化と加工機構の評価
Project/Area Number |
06650135
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉田 忠彰 金沢大学, 工学部, 教授 (70019769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 誠 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00189250)
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Keywords | ラッピング / 可視化 / 砥粒運動 / 画像処理 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では、セラミックスのラッピング加工における砥粒流れを追跡し,その流れが加工機構に及ぼす影響を実験的,解析的に明らかにするとともに,ラッピング加工高精度化のための最適な砥粒運動条件を解析することを目的としている.そして,本年度は以下の問題について検討している. 1.有限要素法による砥粒運動の解析 有限要素法を援用して,ラッピング加工における砥粒運動の解析方法を確立した.そしてこの解析方法を用いて,ラッピング定盤溝を2次元的にモデル化して,定盤溝内における砥粒運動を解析した.また,さまざまな溝形状において砥粒運動を解析し,溝の形状や加工条件によって砥粒運動がどのように変化するのかを検討した. 2.2次元砥粒運動モデルにおける砥粒運動の追跡 ラッピング溝における砥粒運動を実験的に明らかにするために,2次元溝を持つ定盤における砥粒運動の可視化システムを試作した.そしてこのシステムを用いて砥粒運動を直接観察するとともに,画像処理によって砥粒運動過程を明らかにした。そして,その結果が解析結果と一致することを確認した. また現在はこれらの結果を用いて,砥粒運動から見た最適なラッピング条件を検討している. 以上のように,本研究ではラッピング中に定盤溝において砥粒がどのように運動するかをはじめて明らかにした.このように砥粒運動の観点からとらえたラッピングの研究はこれまでほとんど行われておらず,これにより得られた結果はラッピング加工における新しい知見となっている.なお,この研究内容の一部は精密工学会学術講演会にて発表し,評価を得ている.
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